専門家会議「無症状の帰国者も2週間不要不急の外出控えて」

専門家会議「無症状の帰国者も2週間不要不急の外出控えて」
新型コロナウイルスの感染がヨーロッパなどで急速に拡大するなか、帰国者や訪日外国人が国内にウイルスを持ち込む可能性が高まっているとして、政府の専門家会議は、症状のない人にも入国から2週間、不要不急の外出をしないよう求めるなどの新たな対応を16日、厚生労働省に要望したことが分かりました。
今月に入ってヨーロッパやアジアなどから日本に入国したあと新型コロナウイルスへの感染が確認された人は、NHKの集計で16日までに38人に上っています。

このため、政府の専門家会議は、海外からの帰国者や訪日外国人が国内にウイルスを持ち込む可能性が高まっているとして、16日、厚生労働省に対して至急、対応を取るよう求める要望書を提出したことが分かりました。

この中ではまず、帰国者や訪日外国人に対して、検疫の際に健康状態を確認し、症状がある場合や感染した人との濃厚接触歴がある場合には、ウイルスに感染していないか調べる検査を行うよう求めています。

そのうえで検査で陰性だった人やもともと症状がない人に対しても連絡先を確認し、2週間、不要不急の外出を控え、自宅や宿泊施設などで健康観察を行うよう要請することを求めています。

さらに新型コロナウイルスに関する業務が集中している保健所とは別に対応するセンターを設け、電話などで健康状態を確認して、症状があるときには医療機関を紹介する対応をとるよう求めました。

感染確認の帰国者内訳

新型コロナウイルスの感染が急速に拡大するヨーロッパなどから日本に入国したあと感染が確認された人は、NHKの集計で今月1日から16日までに少なくとも38人に上っています。

このうち、ナイル川のクルーズ船ツアーに参加した神奈川県の70代の看護師の女性や福島県の70代の大学職員の女性など、エジプトに渡航歴のある人が最も多く16人。

次いでパリを旅行で訪れた埼玉県入間市の50代の夫婦など、フランスに渡航歴のある人が6人。

イタリアに滞在し、ドイツを経由して帰国した大阪府の30代の男性など、イタリアに渡航歴のある人が4人などとなっています。

フランスとイタリア両国に渡航歴のある人も1人います。

またナイル川のクルーズ船ツアーに参加した帰国者の家族など、帰国した人の接触者で感染が確認されるケースも出てきています。