世界の感染者15万人に 各国で国境管理厳格化や非常事態宣言

世界の感染者15万人に 各国で国境管理厳格化や非常事態宣言
新型コロナウイルスの感染者の数が、世界で15万人に達しました。アメリカのほか、ヨーロッパやアフリカの国々でも非常事態が宣言され、一部では国境の管理が厳格化されるなど、世界各国で対応に追われています。
WHO=世界保健機関は15日現在、新型コロナウイルスの感染が147の国と地域に広がり、感染者の数は前の日に比べて1万982人増えて15万3517人、死者の数は343人増えて5735人に達したと発表しました。

このうち、感染拡大を受けて国家非常事態が宣言されたアメリカでは、万一の場合に備えて食料品などの買い占めが起き、一部の物資が品薄になっています。

トランプ大統領は15日、記者会見を開き「われわれは、コロナウイルスに打ち勝つため、連邦政府の力をすべて使い、どんなことでもする」と述べるとともに、国民に冷静な対応を呼びかけました。

また、ホワイトハウスでは15日、記者会見室に入る記者に対し体温をはかり、なんらかの症状が見られる場合は入室を認めない措置をとりました。

一方、ヨーロッパでもイタリアやスペインなど、非常事態や緊急事態を宣言する国が相次いでいて、WHOは先週、新型コロナウイルスの「世界的な大流行の中心」という認識を示しています。

中でも、最も感染拡大が深刻なイタリアでは15日、死者の数が1日としては、これまでで最も多い368人増え、1809人になりました。

国境管理を厳格化する動きも広がっていて、このうちドイツは16日から貨物の輸送や、国境を越えて通勤する人たちを除いて近隣諸国との間で、出入国を原則禁止することにしています。

ほかにもチェコやポーランドなどが、外国人の入国を禁止すると発表しており、EU=ヨーロッパ連合が掲げている域内の移動の自由が一時、停止する事態に陥っています。

感染はアフリカにも広がっています。

WHOによりますと15日、ナミビアやコンゴ共和国など、7つの国と地域で新たに感染が確認され、アフリカ全体での感染者が100人を超えました。

こうした中、リビアに続いて南アフリカ政府も、国家非常事態を宣言し、中国やイタリアなどからの入国を禁じる措置を発表するなど、アフリカの各国政府も警戒を強めています。

一方、エチオピアでは、これまでに3人の日本人の感染が確認されていますが、JICA=国際協力機構は、このうち2人について、首都アディスアベバの事務所の関係者の男性で、先に感染が確認されたJICAに勤務する48歳の男性と接触があったことを明らかにしました。