「徹底した措置」中国が対策の成果強調 批判かわすねらいか

「徹底した措置」中国が対策の成果強調 批判かわすねらいか
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大するなか、最初に感染が確認された中国では感染者の数は減少傾向にあり、中国政府は対策の成果などについてアピールを強めています。中国政府としては、初動の遅れなどに対する国内外の批判をかわすねらいがあるとみられます。
中国政府の発表では新型コロナウイルスの感染者は、これまでに8万人を超えた一方、1日当たりの新たな感染者の数は減少傾向にあり、14日まで8日間連続で50人を下回っています。

中国の保健当局の報道官は、今月12日の記者会見で「感染のピークは過ぎた」と述べたうえで「最も厳しく徹底した措置をとり、中国国内や世界の国々が対策の準備をするために貴重な時間を稼いだ」と強調しています。

さらに、中国共産党系の新聞「環球時報」は14日、欧米各国の対応は中国に比べて徹底されておらず、反省すべきだと批判する社説を掲載しました。

この中では、欧米各国の対応について「ウイルスのまん延に予防的な措置をとれず感染の程度にあわせて対策を取ってきた」などと指摘したうえで「こうした指摘について欧米のいくつかの国は反省していない。さらに、強い措置を取らなければならない時には、すでに手遅れになっている」と厳しく批判しています。

中国政府の対応をめぐっては「初動の遅れが世界的な感染拡大を招いた」などという批判が、国内外に根強くあり、中国政府や共産党系のメディアが対策の成果などについてアピールを強める背景には、こうした批判をかわすねらいがあるとみられます。