中止になったイベントの主催者をCFで支援

中止になったイベントの主催者をCFで支援
新型コロナウイルスの影響で中止になったイベントの主催者を支援しようと、インターネットのクラウドファンディングの仕組みを使って支援金を募る取り組みが始まっています。
この取り組みは、インターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングのサイトを運営する東京・千代田区のIT会社が始めました。

対象となるのは、新型コロナウイルスの影響で中止や延期となったイベントで、損失の大きさなどの事情を運営会社が審査したうえで、専用のサイトに掲載するということで国などの支援の対象となりにくい、学生団体やNPO法人なども参加することができるということです。

支援金は1口、数千円程度からを予定していて、サイトには支援した人が応援メッセージを書き込めるということです。

会社によりますと、募集を始めてから1週間ほどで、すでに100件を超える申し込みがあり審査を進めているということで、順次、専用サイトに掲載していくことにしています。
運営会社の米良はるか代表は、「政府の対策や保険では損失をカバーできない主催者もいる。多くの人たちが不安を感じているが、支え合うことで危機を乗り越えてもらいたい」と話しています。

支援活用した学生サークルは

この仕組みを通じて支援を受けることになった学生サークルの1つで、30年余りの歴史があるという慶應義塾大学の学生ダンスサークル「JADE」は、今月7日と8日に都内で開催する予定だった自主公演を新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府や大学の方針に従って中止にしました。

この自主公演は、4年生の卒業公演を兼ねているため延期はできず、中止の判断をしたということです。

サークルでは、販売したチケットは、すべて払い戻しすることにしていて、準備にかかった経費などをすべて合わせると、損失は数百万円に上る可能性もあるということです。

保険には入っていないため、およそ180人のメンバーの自己負担になるということで、中には金銭的な負担が大きいため、退部などを検討している学生も出てきているということです。

サークルでは、少しでも損失を賄うことができればと参加を決め、すでにサイトでは目標としていた20万円以上の支援の申し出があったということです。

サークルの副幹事を務めている3年生の九鬼嘉隆さんは、「1年かけて準備してきたいちばん力を入れているイベントで中止を決めた際には泣き出すメンバーもいました。しかたないことですが、サークルを続けるために支援をお願いしました」と話していました。