新型コロナウイルスの感染は各国政府の高官や要人にも広がり、アメリカのトランプ大統領が先週、同席していたブラジル政府の高官の感染も12日に確認されて、懸念が広がっています。

感染が確認されたのは、トランプ大統領が今月７日にブラジルのボルソナロ大統領と会談した際に同席していたブラジル政府の高官です。

ブラジル政府によりますと、この高官は12日になって感染が確認され、症状は軽いということですが、この時に撮影された映像ではトランプ大統領のすぐ後ろで話を聞いている様子が確認でき、高官のＳＮＳにはトランプ大統領と隣り合わせで撮影された写真も投稿されていました。

ただ、高官が先週の時点で感染していたかどうかは明らかになっておらず、トランプ大統領は12日、記者団の質問に「心配していない」と答え、現時点では検査を受ける考えはないとしています。

トランプ大統領をめぐっては先月、行動をともにしていた下院議員が感染者と接触していたことも分かっていて、懸念が広がっています。

一方、ボルソナロ大統領は12日の記者会見で「検査結果を待っているところだ」としながらも、必要な措置は取っており、症状はないと強調しました。

政府高官や要人への感染は各国への感染拡大とともに広がっていて、先月にはイランの副大統領や保健省次官が、今月に入ってからはフランスの文化相やイギリスの保健・社会福祉省の政務次官の感染が確認され、12日にはスペインの平等相に陽性反応が出たことが分かっています。

また、カナダではイギリスから帰国したトルドー首相夫人に陽性反応が出たということで、トルドー首相は今後２週間、みずからを自宅に隔離する措置を取り、執務を続けるということです。

さらに13日、オーストラリアのダットン内相がみずからのツイッターで検査で陽性反応が出たと明らかにしました。

ダットン内相は13日朝、目覚めたときに発熱やのどの痛みを感じ、急きょ検査を受けたということです。

ダットン内相は先週、アメリカの首都ワシントンでアメリカ、イギリス、ニュージーランド、カナダの政府関係者との協議に出席したあと、５日に共同で記者会見に臨み発言していましたが、いつ感染したのかは明らかになっていません。