「消毒液が手に入らない」難病の子を持つ保護者に危機感

「消毒液が手に入らない」難病の子を持つ保護者に危機感
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い全国的に消毒液が不足していて、たんの吸引など医療的ケアが必要な子どもの保護者は「命にかかわる」と危機感を募らせています。
たんを吸引したり、チューブで栄養を取ったりするなど医療的ケアが必要な子どもの介護に当たっては、手に加えてカテーテルなどの器具の消毒が欠かせません。

東京都内に住む滑川伶奈さんの娘のすみれちゃん(3)は、脊髄性筋萎縮症という難病で、人工呼吸器をつけ、24時間態勢で在宅で介護を受けています。
体調が悪い時には5分おきにたんの吸引が欠かせませんが、その際に使うカテーテルの消毒に必要なアルコール綿の在庫は残り1か月分を切りました。

また、手の消毒液も500ミリリットルの予備のボトルが1つと、あと1か月分ほどしかありません。

かかりつけの薬局などあちこち問い合わせましたが、消毒液の在庫はなく、入荷時期も未定だということです。

「全国医療的ケア児者支援協議会」が今月行った調査では、医療的ケアを行っている190人の保護者が求める支援は「マスクや消毒液の提供」が最も多く60%に上ったいうことです。
滑川さんは「消毒液がどこに行っても手に入らず、とても困っています。在宅で医療的ケアを行っている人たちにとっては命綱のようなもので、とても深刻です。国が優先的に消毒用品を配るなど何らかの措置を考えてほしい」と訴えていました。