アメリカ 感染拡大抑えるため「欧州からの入国停止」実施へ

アメリカ 感染拡大抑えるため「欧州からの入国停止」実施へ
アメリカのトランプ大統領は新型コロナウイルスの国内での感染拡大を抑えるため、ヨーロッパの26か国からの入国を一時、停止することを決めました。一方、東部ニューヨーク州では12日から感染者が特に多い地区で、多くの人が集まる施設が閉鎖されるなど、アメリカ国内の感染の拡大は現地に住む日本人にも影響を与えています。
トランプ大統領は現地時間の11日、ホワイトハウスの大統領執務室から演説し、水際対策を強化するため、「ヨーロッパからの入国を30日間、停止させる」と述べました。

国土安全保障省によりますと、対象はイギリスなどを除くヨーロッパの26か国で、アメリカ東部時間の13日午後11時59分以降、これらの国から渡航したり、2週間以内の渡航歴があったりする外国人の入国を認めないということです。

アメリカでは11日現在で感染者が1215人となるなど感染が拡大しています。
このうち感染者が多いニューヨーク州では12日から、ニューヨーク市の郊外、ウエストチェスター郡の一部の地区で学校や宗教施設といった多くの人が集まる施設を2週間、閉鎖することになりました。
町には州兵が出て、閉鎖された高校を見回って、人の出入りがないかなどを確認していました。

この地区の外にある、現地の日本人の子どもなどが通う「ニューヨーク補習授業校」も今月15日に予定していた卒業式の中止を決めました。

補習校には97人が通っていて、教員が今月卒業する予定の子どもたちの自宅に卒業証書を送る準備を行っていました。
坂口一成教頭は、「卒業式を楽しみにしていた子どもたち、先生のことを考えると、とても苦しい決断でしたがやむをえません」と話していました。

茂木外相「米国内での感染拡大防止の措置と理解」

茂木外務大臣は閣議のあとの記者会見で、アメリカがヨーロッパからの入国停止を決定したことをEU=ヨーロッパ連合側が批判していることをめぐり、「あくまでアメリカ国内での感染拡大を防止するための措置だと理解している。日本としても国際社会と緊密に協力しつつ、必要な対応策をちゅうちょなく実行していきたい」と述べました。

そして「世界的な感染拡大で、外交や経済などさまざまな分野への影響が懸念されるが、国際的な協調や連携が極めて重要であり、外交面でも感染症対策で、どう国際社会と協力できるか模索したい」と述べました。