大リーグ 開幕を2週間延期と発表 新型コロナウイルス感染拡大

大リーグ 開幕を2週間延期と発表 新型コロナウイルス感染拡大
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、大リーグ機構は12日、現在、フロリダ州とアリゾナ州で行われているオープン戦を中止するとともに今月26日のレギュラーシーズンの開幕を少なくとも2週間、延期すると発表しました。

4大プロスポーツ 急きょ中止や開幕延期へ

アメリカとカナダのいわゆる4大プロスポーツは、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、これまでは感染予防の注意事項を各チームに伝える一方で、入場料や放映権料などが絡むレギュラーシーズンの試合について、予定どおり実施する方針を示していました。

しかし11日以降、NBA=アメリカプロバスケットボール、NHL=北米プロアイスホッケーリーグ、それに大リーグが一気に試合の中断や開幕の延期を決定。ニューヨークの新聞、「ニューヨーク・ポスト」は「スポーツ界が止まった日」という大きな見出しと、各スポーツ組織のロゴを並べた象徴的な紙面で、その衝撃の大きさを伝えています。

発端になったのはNBAで、アメリカで急速に感染が拡大しているさなかだった11日、ジャズの選手が新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示したことを受けて開始直前だったジャズの試合を急きょ中止し、さらにすべてのチームのレギュラーシーズンの全試合の中断を決めました。

さらにNBAの決定のあと、トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染拡大と影響を食い止めるため国民向けの演説を行ったこともあって、一夜明けた12日にはNHLがレギュラーシーズンの中断を決定。今月26日に開幕する予定だった大リーグは当初、感染者が多かったシアトルなどの試合を別の地域に変更し、予定どおり開幕すると強調していましたが、やはり12日、少なくとも2週間、開幕を延期することを決めました。

シアトルを本拠地にするマリナーズのジョン・スタントン球団会長は、キャンプ地のアリゾナ州で開いた会見で、「きのうまでは感染拡大の状況をニュースの1つとして見ている人の1人だった。大リーグ機構のコミッショナ-も同じようなことを言っていた。しかし、NBAの決定や昨夜の大統領の演説で国家として意識するようになった」と述べました。

わずか2日間でスポーツ大国アメリカを象徴する4大スポーツのうち、シーズンオフのNFL=アメリカプロフットボールリーグ以外のすべてが、試合の中断や開幕の延期に方針を転換し、「スポーツ界が止まった日」と表現される事態を迎えました。

選手たちは…

大リーグのオープン戦の中止と、今月26日からのシーズン開幕の延期が決まったことについて、マリナーズの菊池雄星投手は「開幕に合わせてやってきたので、もちろん残念な気持ちはある。今できる最善の策として、大リーグ機構が判断したと捉えたい。開幕が2週間延びたことを有意義な時間にすると、切り替えないといけない」と話しました。

マリナーズの平野佳寿投手は「こういう状況で観客なしで試合するというのは、ありえないことだと思っていた。お客さんがあってこその世界なので、開幕を延期にするのは間違いではないと思う」という見方を示しました。

今後の調整については「開幕がいつになるのかわからないので難しいかもしれないが、もう一回、気持ちをリセットして今までやってきていることを続けていきたい」と話しました。

今シーズン、プロ野球 西武から移籍し、大リーグ1年目のレッズの秋山翔吾選手は「どの国も、いろんな対応に迫られている中で、苦しい決断だったのではないかと思う。選手やファンのことも考えて、今の状況ではベストだと判断したと思うので、それに従うだけです。周りの選手を見て、どういうペースで調整していくかを考えていきたい」と話しました。