欧州中央銀行 量的緩和策の拡大は決定も利下げは見送り

欧州中央銀行 量的緩和策の拡大は決定も利下げは見送り
ドイツやイタリアなどユーロ圏の金融政策を担うヨーロッパ中央銀行は12日、理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた景気の悪化を防ぐため、さまざまな資産を買い入れて市場に大量の資金を供給する量的緩和策の拡大などを決めました。ただ、市場の期待が高まっていた金利の引き下げは見送りました。
ヨーロッパ中央銀行は12日、ドイツのフランクフルトにある本部で理事会を開いて、新型コロナウイルスの感染拡大による景気の悪化を防ぐため、さまざまな資産を買い入れて市場に大量の資金を供給する量的緩和策について、ことし末まで1200億ユーロを追加することなどを決めました。

一方、金融機関から資金を預かる際の金利は現在のマイナス0.5%のまま据え置きました。

新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響に対する懸念から、ヨーロッパの主な株式市場では先月下旬、1週間の株価の下落率が2008年のリーマンショック以来となるなど世界的に金融市場の混乱が続いています。

こうした中でアメリカなどの中央銀行に続いてイギリスのイングランド銀行も緊急利下げに踏み切っていて、市場ではヨーロッパ中央銀行がこれらに続いて利下げに踏み切ることへの期待が高まっていました。