WHO「パンデミック」表明 専門家「冷静な対策実施が重要」

WHO「パンデミック」表明 専門家「冷静な対策実施が重要」
WHO=世界保健機関が「パンデミックと言える」という認識を示したことについて、国の専門家会議のメンバーで日本感染症学会の舘田一博理事長は「世界の多くの地域で合わせて、およそ12万人が感染したとされるなか、WHOとしても、パンデミックと言わざるをえない状況になったのだと思われる。ただ、日本においては、現時点では、感染の爆発的な拡大には至っていない状況で、対応を急速に変えるということではなく、冷静に、これまでの対策を確実に行っていくことが重要だ」と指摘しました。
その一方で、国際的な対応については「東南アジアなど、いくつかの国では診断がつかないまま、すでに感染が広がっているおそれがあるところもある。そうした国々への国際的な支援を行うと同時に、日本に感染が持ち込まれる事態を防ぐため、各国の感染拡大の状況をより注意深く見ていく必要がある」と話しています。

また、幼い子どもが新型コロナウイルスに感染した際の対応について、舘田理事長は「感染症にかかったときに行う一般的なケアは必要だが、中国からの報告などでは、幼い子どもは感染しても重症化するリスクがほかの世代に比べて低いとされている。その一方で、子どもから重症化リスクの高いお年寄りなどに感染させることがないよう注意が必要だ。この機会に手洗いやアルコール消毒など、感染予防の習慣をしっかり身につけられるよう保護者がサポートしてあげてほしい」と話しています。