米で感染者900人超 首都ワシントンと16の州が非常事態宣言

米で感染者900人超 首都ワシントンと16の州が非常事態宣言
アメリカでは、この1週間ほどで感染が急速に拡大していて、感染者の数は10日現在、首都ワシントンと38の州で合わせて900人を超え、29人が亡くなっています。これを受けて首都ワシントンと16の州が非常事態を宣言し、対策を急いでいます。
アメリカCDC=疾病対策センターのまとめによりますと、10日午後4時現在、全米の感染者の数は前の日から、およそ300人増えて938人となり、29人が亡くなりました。

感染者が確認されたのは首都ワシントンと38の州で、最も多いのが
▽西部ワシントン州で267人、次いで
▽ニューヨーク州が173人、
▽カリフォルニア州が152人となっています。

これらの州では、ヒトからヒトへの継続的な感染が起きているとされ、新たに中西部のミシガン州や、サウスダコタ州でも感染者が確認されています。

新型コロナウイルスの対策を率いているNIH=アメリカ国立衛生研究所のアンソニー・ファウチ博士は11日、議会下院の委員会で「状況はさらに悪くなる」と述べて、感染者は今後さらに増えるという見通しを示しています。
この事態を受けて各地の自治体は対策を急いでいて、首都ワシントンと16の州が非常事態を宣言しています。

このうちニューヨーク州では、自治体に専用の窓口を設け、せきや熱の症状のある人が、ほかの人との接触を避けて電話で相談できるようにしたほか、ワシントン州やコロラド州では、車に乗ったまま検査を受けられる臨時の検査所を設置して態勢を強化しています。

一方で検査用の薬品が不足し始めていて、専門家からは、十分な検査ができなくなることへの懸念の声もあがっています。