米ニューヨーク州 新型ウイルスで施設閉鎖の町では不安の声も

米ニューヨーク州 新型ウイルスで施設閉鎖の町では不安の声も
新型コロナウイルスの感染者が増え続けていることから、アメリカ・ニューヨーク州が多くの人が集まる施設の閉鎖を決めた町では、住民が州の決定に理解を示す一方で、商店街の店主からは、経営に影響が出るおそれがあると不安の声が聞かれました。
ニューヨーク州では、今月1日以降、感染者が増え続け、11日までに確認された感染者は合わせて212人に上っています。

このうちおよそ6割にあたる121人は、日本人が多く住むニューヨーク市の郊外、ウエストチェスター郡で確認されていて、州政府は、感染の拡大を防ぐため、郡内の一部の地域で学校やユダヤ教の礼拝所といった多くの人が集まる施設を12日から2週間閉鎖することにしています。

一方、感染していない人が地域の外へ出たり、地域を訪問したりすることなど行動は制限されません。施設が閉鎖される町では、11日、自動車やバスが行き交い、交通量が多かった一方で、歩く人の姿はほとんど見かけませんでした。

商店街にある飲食店のドアには2週間店を閉めるという貼り紙が貼られていたほか、学校は休校していました。

また小売店では、アルコール消毒液が品薄となり、購入できる数を1人1個に制限していました。

地元の女性は、「新型コロナウイルスの感染がどこまで広がるのか分からず恐ろしい。感染拡大を防ぐためには施設の閉鎖はやむをえない」と話し、州の決定に理解を示していました。

一方で、理髪店を経営する男性は、「人が出歩かなくなり、客が来なくなっている。施設が閉鎖されたあとは、さらに影響が出ると思う」と話し、経営に影響が出るおそれがあると不安の声が聞かれました。