東京オリンピック聖火採火式 きょうギリシャのオリンピアで

東京オリンピック聖火採火式 きょうギリシャのオリンピアで
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東京オリンピックの聖火の採火式が日本時間の12日、ギリシャのオリンピアで行われます。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が懸念される中、東京オリンピックの聖火リレーがギリシャをスタートします。
東京オリンピックの聖火の採火式は、日本時間の12日午後6時半、現地時間の午前11時半からギリシャ南部にあるオリンピック発祥の地、オリンピアで行われます。

採火式には、IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長や東京大会の組織委員会の遠藤利明会長代行らが出席し、古代の衣装に身を包んだみこにふんした女性が太陽光を集めて聖火を採ります。

そして、東京オリンピックの聖火リレーが始まり、日本人最初のランナーとして、アテネオリンピック女子マラソン金メダリストの野口みずきさんが第2走者を務めることになっています。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が懸念される中、ギリシャオリンピック委員会は、採火式は観客を入れず報道陣も大幅に減らす異例の対応を行ったうえで、政府や保健省と連携して感染が広がらないよう対策に万全を期し、ギリシャ国内での聖火リレーは今月19日まで8日間をかけて、予定どおり実施するとしています。

聖火は今月19日にアテネで開催都市の東京に引き継がれたあと20日に日本に到着し、26日からは日本国内での聖火リレーが始まります。
野口みずきさんは11日、ギリシャのオリンピアで、聖火リレーのリハーサルを行いました。

野口さんは走り始める前に、正面にある「近代オリンピックの父」と呼ばれるクーベルタン男爵の記念碑に小さくおじぎをすると、ギリシャ人の第1走者から聖火を引き継ぐ動きを確認し、およそ200メートル、トーチを持ちながらゆっくりと走りました。

このあと野口さんは、クーベルタン男爵の記念碑におじぎをした理由について報道陣から問われると、「この歴史ある場所に訪れることができたことを報告した。いまは緊張とワクワク感の半々だ」と笑顔で話しました。

そのうえで「走ってみて、いよいよだなという気持ちがした。あすの聖火リレーは、気持ちを込めてやりたい」と意気込んでいました。
東京オリンピックの聖火の採火式のリハーサルを終え、11日、式典の関係者が現地、ギリシャのオリンピアで記者会見しました。

このうち、東京大会組織委員会の武藤事務総長は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、採火式では関係者や報道陣の数を制限するほか、一般観客を入れない形で行うことについて「予想しないことが起きたことは事実だが、乗り越えてやっていきたい」と述べました。

そのうえで「あす、3月12日は東日本大震災から10年目の第1日目だ。多くの人にとってこの聖火リレーが希望の第一歩になることを望んでいる」と述べ、復興五輪を掲げる中、聖火リレーが多くの人の希望になってほしいという思いを述べました。

JOC=日本オリンピック委員会の山下会長は「古代オリンピア競技場に立ち、古代に選手たちがここで競い合っていたことを想像すると感慨無量だ。多くの選手にとってオリンピックは一生に一度のチャンスだ。なんとしても安心安全な形で世界中のアスリートが集える大会にしたい」と話しました。

また、ギリシャオリンピック委員会のバシリアディス聖火リレー委員長は、「採火式は1000人以上の関係者の入場を予定していたが、そのうちの1割の参加に制限せざるを得なくなった。無観客も異例のことだ。残念なことだが感染が広がらないようギリシャ政府や保健省と連携をとりながら安全に聖火リレーを行っていきたい」と話していました。