イタリア 全土で人の移動制限「お互いを感染者と思う状況に」

イタリア 全土で人の移動制限「お互いを感染者と思う状況に」
イタリア政府は、急速に広がる新型コロナウイルスの感染を抑えるため、全土で不要不急の外出を控えよう求めるなど人の移動を制限していて、主要な駅や空港では、警察官が乗客に対し移動に必要な書類を持っているかチェックする姿が見られました。
イタリアでは、北部を中心に新型コロナウイルスの感染が急速に広がり、感染者はこれまでに1万149人に上り、亡くなった人は631人となっています。

イタリア政府は、感染の拡大を防ぐためとして、来月3日まで全土で不要不急の外出を控えるよう求めていて、鉄道や飛行機を利用して移動する場合は、理由を記載した書類の提示が必要となるなど、規制が強化されています。

首都ローマの中央駅では11日、改札口近くで乗客が行き先や連絡先、それに移動する理由などを書類に記入し、警察官からチェックを受ける姿が見られました。

南部に向かうという女性は、「お互いを感染者じゃないかと思うような状況になってしまったことが悲しい」と話していました。

また同じく南部に向かうという男性は、「感染への恐怖はありますが、今はしっかり対策が行われるべきです。できるだけ早く元に戻ってほしい」と話していました。

乗客へのチェックは、各地の主要な駅や空港で行われていて、警察の許可がないと飛行機の搭乗手続きを断られるケースもあるということです。