「緊急事態宣言」可能にする法案 衆院内閣委で可決

「緊急事態宣言」可能にする法案 衆院内閣委で可決
新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に備え、「緊急事態宣言」を可能にする法案は、衆議院内閣委員会で11日、審議入りし、質疑と採決が行われた結果、自民・公明両党や、立憲民主党などの賛成多数で可決されました。
新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合に備え、総理大臣が「緊急事態宣言」を行い、都道府県知事が外出の自粛や学校の休校などの要請や指示を行うことを可能にするための法案は11日、衆議院内閣委員会で審議入りし、質疑が行われました。

自民 長坂氏「すぐに宣言 想定しているか」

この中で自民党の長坂康正氏は「法律の施行後、すぐに緊急事態宣言を出すことを想定しているのか」と質問しました。

これに対し、法案を担当する西村経済再生担当大臣は「緊急事態宣言の発出に際しては要件に該当するかどうか専門家で構成されている委員会に諮問することとしている。専門家の意見をしっかりと踏まえて、適切に判断したい」と述べました。

公明 江田氏「国会関与のプロセス明確に」

公明党の江田康幸氏は「緊急事態宣言を行うには、手続きの客観性や公平性が担保されるよう、国会の関与するプロセスを明確にする必要がある」と指摘しました。

これに対し西村大臣は「できるかぎり丁寧に国会に説明していきたい。宣言によってさまざまな強力な措置が取れるようになるが、万が一に備えて準備をするもので、『伝家の宝刀』として宣言を使わずに済むよう、終息に向けて全力を挙げて取り組んでいきたい」と述べました。

立民 中川氏「個別の法改正でなく分類で対象指定しては」

立憲民主党の中川正春氏は「個別に法改正をするのではなく、重篤なパンデミックを起こす可能性があるなどの分類で対象に指定するなどの措置を取ってはどうか」と提案しました。

これに対し西村大臣は「非常に強い私権の制約を伴う法律であることを考えれば、裁量の余地はあまり広くしないほうがいい。国民の生活や経済、生命への影響とのバランスを考えながら、検証していきたい」と述べました。

国民 後藤氏「きちんと事前報告を」

国民民主党の後藤祐一氏は「緊急事態宣言の前に国会の事前承認を得るべきだが、与野党の合意で、事前に報告することになったのは一定の進展だ。『近いうちにやる』という言い方でもよいので、きちんと事前に報告してもらいたい」と要請しました。

これに対し西村大臣は「国会に対し、時機を失することなく丁寧に説明していきたい」と述べました。

立民などの会派 重徳氏「事業影響の財政支援は?」

立憲民主党などの会派に所属する重徳和彦氏は「小売業や飲食業、観光業などは自粛の協力要請による直接的な影響が非常に大きい。財政支援をどのように考えているのか」とただしました。

これに対し西村大臣は「今は自粛をお願いしているが、終息すれば、観光振興や消費の喚起をしなければならない。影響を十分に見極め、インパクトに見合うだけの経済対策をやらなければならない」と述べました。

共産 塩川氏「国民の権利制限もたらし認められない」

共産党の塩川鉄也氏は「緊急事態宣言を行う際に、あらかじめ専門家の意見を聞くことの義務づけがないのは容認できない。法律の勝手な解釈を繰り返してきた安倍総理大臣の下で、国民の権利制限をもたらす法改正は認められない」と主張しました。

これに対し西村大臣は「政府の行動計画の中で、専門家の意見をしっかり聞いて判断することになっており、法体系上は担保されている」と述べました。

維新 浦野氏「イベント中止の補償考えるべき」

日本維新の会の浦野靖人氏は「大規模イベントなどの中止に対する補償を考えるべきではないか」と指摘しました。

これに対し西村大臣は「すべての補償措置を法律上位置づけることは、慎重に検討しなければならないが、従業員の休業補償など今の対策も踏まえて適切に対応していきたい」と述べました。

一方、西村大臣は、新型コロナウイルスを法律の対象とする期間は、今のところ1年間を想定していることを明らかにしました。
このあと採決が行われ、法案は、自民・公明両党のほか、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会などの賛成多数で可決されました。

また、緊急事態宣言にあたっては、緊急でやむをえない場合を除き、国会に事前に報告し、その後の状況も適時、報告することや施設利用の制限などを要請する場合には、経済的不利益を受ける者への配慮を十分検討するなどとした付帯決議も、賛成多数で可決されました。

法案は、12日開かれる衆議院本会議でも可決されて、参議院に送られる見通しです。