参院予算委公聴会 新型ウイルスへの対応で有識者2人が意見

参院予算委公聴会 新型ウイルスへの対応で有識者2人が意見
参議院予算委員会は10日、新年度予算案などについて有識者の意見を聞く公聴会を開き新型コロナウイルスの感染拡大への対応をめぐって、2人が意見を述べました。

自民推薦 尾身氏「人的・財政的な支援を講じるべき」

このうち自民党が推薦した、政府の専門家会議の副座長で地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏は「諸外国で患者数が急増しており、今回、国内での流行をいったん抑制できたとしても、しばらくは、いつ再流行してもおかしくない状況が続くと見込まれる。国外から感染が持ち込まれる事例も、今後、繰り返されると予想される」と指摘しました。

そのうえで「クラスターを早期発見し、感染の連鎖を早く摘むための対応が、長期間、持続できるよう、人的・財政的な支援を講じるべきだ」と述べ、保健所などの体制強化や自治体の枠を超えた広域連携の必要性を訴えました。

立民など会派推薦 上氏 検査体制の拡充を

立憲民主党などの会派が推薦した、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は「中国の湖北省で致死率が高くなったのは、若い人が街から出て、高齢者が独りで閉じこもって健康を害したからだ。日本をそのようにさせてはならず、街の機能の維持は極めて重要だ」と指摘しました。

そのうえで「日本の感染者数が少ないのは、PCR検査が十分に行われていないからだ。症状の軽い人まで診断していかないと、この病気の本当の姿は見えない」と述べ、検査体制の一層の拡充を求めました。