イタリア 感染者9000人超 移動制限を全土に拡大

イタリア 感染者9000人超 移動制限を全土に拡大
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新型コロナウイルスはイタリアでの感染者が9000人を超えて韓国やイランをすでに上回り、イタリア政府は人の移動を制限する措置を全土に広げると発表しました。WHO=世界保健機関は、世界的な大流行を意味する「パンデミック」の脅威がより現実味を帯びてきたという認識を示す一方、制御は可能だとして各国にさらなる対策を求めました。
新型コロナウイルスはイタリアでの感染者が9100人余りに増え、韓国やイランの7000人余りをすでに上回り、感染の拡大が続いています。またイタリアで亡くなった感染者は韓国やイランを上回る463人となっています。

イタリア政府は北部に限定してきた人の移動を制限する措置を10日から全土に広げると発表しました。来月3日までの間、緊急の際や健康上の理由、仕事や必要な場合を除いて外出を控え、自宅で過ごすよう求めるとともに、屋外で人が集まることを禁止するとしています。

こうした中、WHOのテドロス事務局長は9日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染が100以上の国と地域に広がっていると指摘し、「パンデミックの脅威は非常に現実的になってきた」と述べて、世界的な大流行を意味する「パンデミック」の脅威がより現実味を帯びてきたという認識を示しました。

一方で、テドロス事務局長は「われわれの決断によってウイルスの広がりを遅らせ、感染を抑えることができる」と述べ、制御は可能だとして各国にさらなる対策を求めました。

そのうえで感染が確認されたこれら100以上の国と地域のうち79では感染者の数が100人以下にとどまっていると指摘し、「パンデミック」の判断にはなお状況の見極めが必要だという認識を示しています。

官房長官「在留邦人は約2万人 適切に対応したい」

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「イタリア全体では『在留届』と『たびレジ』登録の数としてはおよそ2万人程度の在留邦人が見込まれる。現時点のイタリアの状況はチャーター便を出した中国・湖北省とは異なって、在留邦人や渡航者が自分の意思で域外に出られない状況ではないと認識している」と述べました。

そして菅官房長官はイタリア北部を中心に渡航中止の勧告などを行っていると説明したうえで「在留邦人や渡航者に対し、現地の状況が悪化する可能性も念頭に、現地の最新情報の収集と感染予防に万全を期すよう呼びかけている。今後、状況の推移を注視し、適時、適切に対応していきたい」と述べました。