米カリフォルニア沖クルーズ船 下船開始「教訓いかす」

米カリフォルニア沖クルーズ船 下船開始「教訓いかす」
乗客乗員の一部に新型コロナウイルスへの感染が確認され、アメリカのカリフォルニア州の沖にとどまっていたクルーズ船が港に接岸し、日本時間の10日午前から乗客の下船が始まりました。今回の対応について、アメリカの運航会社は「ダイヤモンド・プリンセスの教訓を生かし、迅速に対応している」としています。
このクルーズ船は新型コロナウイルスの集団感染が確認された「ダイヤモンド・プリンセス」と同じアメリカの会社が運航する「グランド・プリンセス」です。

「グランド・プリンセス」は乗客乗員およそ3500人のうち21人に新型コロナウイルスへの感染が確認されたため、カリフォルニア州サンフランシスコの沖にとどまっていましたが、保健当局などとの調整が済んだことから、日本時間の10日午前4時半ごろ、サンフランシスコ近郊のオークランドの港に接岸し、およそ4時間後の午前8時半ごろから乗客の下船が始まりました。

アメリカの運航会社は今回の対応について、「ダイヤモンド・プリンセスの教訓を生かし、迅速に対応している」としています。

またアメリカのペンス副大統領は9日の記者会見で、下船した乗客は健康状態を確認するため、軍の施設などで一定期間隔離されることや、カナダ人とイギリス人の乗客については港の近くの空港からチャーター機で本国に帰国することを明らかにしました。

すべての乗客が下船するには数日かかる見通しで、まだ船内にいる乗客はNHKの取材に対し、「疲れてはいますが、5日ぶりに部屋から出て、外の空気を吸うことができました。乗客は全員マスクをしています」などと話していました。

一方、乗員については船内にとどめて経過を観察するということで、クルーズ船は乗客の下船が終わりしだい港を離れるということです。