NY株式市場 過去最大2000ドル超下落 売買の一時自動停止も

NY株式市場 過去最大2000ドル超下落 売買の一時自動停止も
週明け9日のニューヨーク株式市場は新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から株価が急落して、ダウ平均株価の値下がり幅は2013ドル余りと過去最大を記録しました。急激な株価の値下がりで一時、売買が自動的に停止されるなど、ニューヨーク市場は大荒れの一日となりました。
9日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、先週末に比べて2013ドル76セント安い2万3851ドル2セントでした。

値下がり幅は、先月27日に記録した1190ドルを大幅に上回って過去最大です。

この日は週末にアメリカでの新型コロナウイルスの感染の広がりが明らかになったことから、取り引き開始直後に売り注文が殺到して株価が急落し、この結果、自動的に売買を停止する「サーキットブレーカー」と呼ばれる措置が発動されました。

この措置がとられるのは2013年2月に今の制度が導入されて以来初めてで、ニューヨーク市場は大荒れの一日となりました。

株価急落の要因には、新型コロナウイルスの感染拡大による影響への懸念に加え、これに関連して生じた原油価格の急落があり、エネルギー関連企業や金融関連株が大幅に下落しました。

一方、前日の東京市場で大幅な円高が進んだ円相場は1ドル=102円台前半の取り引きが続きました。

市場関係者は「新型コロナウイルスの感染拡大に原油急落が追い打ちをかけた。エネルギー関連企業の経営不安やリストラにつながれば、実体経済にも本格的な影響が出始める」と話しています。

サーキットブレーカー 株価安定や投資家保護が目的

「サーキットブレーカー」は株価が急落した際に自動的に取り引きを停止する制度で、その名称は電流が流れすぎた時に過熱などを防ぐために電気を遮断する装置に由来しています。

現在の制度は、株価の安定や投資家保護の目的で7年前の2013年2月に、それまでの制度を強化する形で導入され、実際に発動されたのは今回が初めてです。

強化のきっかけは2010年5月にニューヨーク株式市場で起きた「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる株価の急落で、この時はコンピューター取り引きの集中でダウ平均株価が一気に1000ドル余り下落していました。

現在の「サーキットブレーカー」は3段階の措置からなり、第1段階ではニューヨーク株式市場に上場する主要500社の株価指数「S&P500」の下落率が7%を超えた時に自動的に15分間、売買が停止されます。

その後、取り引きは再開されますが、下落に歯止めがかからず下落率が13%に達した場合は第2段階の措置として再び15分間の売買停止となります。

それでも下落が続いて下落率が20%を超えれば、第3段階としてその日の売買はすべて停止されます。

9日の取り引きでは開始直後に「S&P500」の下落率が7%に達したため、第一段階の売買停止が発動されました。

取り引きが再開されたあとさらに下落する場面もありましたが、13%には達せず、第2段階以降の措置は実施されませんでした。