「感染拡大 持ちこたえているが警戒緩められず」専門家会議

「感染拡大 持ちこたえているが警戒緩められず」専門家会議
新型コロナウイルス対策の専門家会議は「今後1~2週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際だ」とする見解を示してから2週間となる9日、新たな見解をまとめ、国内の感染状況について「爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているのではないか」という認識を示しました。ただ、感染者の増加傾向は続き、警戒を緩めることはできないとして、引き続き換気の悪い密閉空間でのイベントなどを避けるよう呼びかけています。
国の新型コロナウイルスの緊急対策本部の専門家会議は、先月24日に「これから1~2週間が急速な拡大に進むか収束できるかの瀬戸際にある」とする見解を出し、2週間たった9日、各地で起きている集団感染の状況を分析したうえで現状についての新たな見解をまとめました。

新たな見解では、現時点での国内の状況について「クラスター」と呼ばれる感染者の集団を比較的早期に発見できた事例も出ていることなどから、「爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているのではないか」とする認識を示しています。

また、感染者数が最も多い北海道で人と人との接触を可能なかぎり控える対策を取っていることについて、対策の効果の判断を今月19日をめどに公表する予定だとしています。

一方で、感染者数は増加傾向が続き、依然として警戒を緩めることはできないとしています。

さらに、先週まで報告が少なかった国でも患者数が急増していることから「今回、国内での流行をいったん抑制できたとしても、しばらくはいつ再流行してもおかしくない状況が続くと見込まれる。国外から感染が持ち込まれる事例も今後繰り返されると予想される」として、対策は長期にわたって続くという見通しを示しました。

そのうえで、
▽保健所の負担の軽減、
▽地域での広域連携、
▽さらなる感染拡大に備えた医療提供体制の強化に向けた支援、を行う必要があるとしています。

そして一般の人たちに対しては、
▽換気の悪い密閉空間で、
▽多くの人が密集し、
▽近距離で会話や発声が行われる、という3つの条件が重なった場で集団感染が確認されているとして、引き続き可能なかぎり避けるよう協力を呼びかけています。