武漢封鎖 5日間前倒しなら感染者3分の1 中国研究チーム試算

武漢封鎖 5日間前倒しなら感染者3分の1 中国研究チーム試算
中国の研究チームは、新型コロナウイルスの感染状況が最も深刻な湖北省武漢で、街を事実上封鎖した措置などの効果について分析した結果、5日間前倒しして実施されていれば、感染者は3分の1に抑えられたとする試算を発表しました。
中国では、新型コロナウイルスに感染して死亡した人が3119人となり、感染者の数は合わせて8万735人に上っています。

こうした中、保健当局の専門家チームのトップを務める鍾南山氏などの研究チームは、中国の感染防止策の効果について、先月28日付けで医学雑誌に論文を発表しました。

それによりますと、研究チームはAI=人工知能を使って感染者の数の予測モデルを作ったうえで、ことし1月23日に状況が最も深刻な湖北省武漢で街を事実上封鎖した措置や、旅行を制限した対策などの効果を分析したとしています。

その結果、政府が主導した対策によって中国では、すでに先月末に感染拡大のピークを迎えていて、来月末には、ほぼ終息に向かうと予測しています。

一方、武漢で街を事実上封鎖した措置などの対策について、5日間前倒しして実施されていれば、感染者は3分の1に抑えられ大幅に減少していたと試算しています。

逆に対策が5日間遅れていれば、感染者は3倍に増えて30万人以上が感染した可能性があったとしていて、街を封鎖するなどの対策は必要だったと結論づけています。