ヨーロッパで感染拡大 イタリア 封鎖に市民の協力呼びかけ

ヨーロッパで感染拡大 イタリア 封鎖に市民の協力呼びかけ
ヨーロッパではイタリアを中心に、新型コロナウイルスの感染が急激に増えています。イタリア政府は、感染が広がる北部の広い地域を事実上、封鎖する措置に踏み切り市民に協力を訴えています。
イタリアでは9日までに感染者が7375人と、7000人を超えたほか、亡くなった人も1日で133人増えて366人となりました。

さらに北部のピエモンテ州の知事や、陸軍の参謀総長の感染が確認されるなど、感染の広がりに歯止めがかかっていません。

イタリア政府は8日から、人口の4分の1にあたる、およそ1600万人が暮らす北部の広い地域で人の移動を制限し、事実上、封鎖する措置に踏み切りました。

北部の中心都市ミラノで働く地元のANSA通信の記者は、NHKの取材に対し「新しい対策を理解するのは簡単ではない。地下鉄に乗って仕事に行けても、公園には行ってはいけない。どうしたらいいのか混乱しかねない」と述べて、人々の間で戸惑いが出ていることを明らかにしました。

9日の朝、ふだんは観光客の多い中心都市ミラノの大聖堂の前や、観光名所ベネチアのサンマルコ広場では、ほとんど人の姿がありません。

こうした中、コンテ首相はツイッターに動画のメッセージを投稿し「だれもが責任を持って行動するときだ。自分たちの健康や愛する人の健康を守らないといけない」と述べて、政府の対策に協力するよう呼びかけました。

ヨーロッパでは、イタリア以外でも感染者が増えていて、フランスで1126人、ドイツで1112人と、感染者が1000人を超えるなど、先行きに懸念が強まっています。