震災9年 7割が「風化している」 被災者アンケート

震災9年 7割が「風化している」 被災者アンケート
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東日本大震災から9年となるのを前に、NHKが岩手・宮城・福島の被災者およそ2000人にアンケートを行ったところ、7割が「震災から時間がたち風化している」と回答しました。
NHKは去年12月からことし1月にかけて、岩手・宮城・福島の被災者や原発事故の避難者など4000人余りを対象にアンケートを行い、48%にあたる1965人から回答を得ました。

この中で「震災から時間がたち風化している」と思うか尋ねたところ、
▽「そう思う」が35%、
▽「ややそう思う」が36%で、
風化していると思う人が7割を超えました。

県別に見ると岩手と宮城では風化していると思う人の割合がいずれも60%台後半だったのに対し、福島は83%にのぼりました。

また、
▽被害を受けた建物が解体されたり新たなまちができたりして「風景が変わり、被害が伝わりづらい」という回答が全体の66%にのぼったほか、
▽「各地で災害が相次ぎ震災が忘れられている」という回答も63%にのぼりました。

自由記述の中で宮城県岩沼市の70代の男性は「全国各地で災害が起きているので、東日本大震災の事が忘れられて行くような気がします。風化させないように後世に伝えるよう私たちも努力したいと思います」と書きました。

岩手県陸前高田市の70代の女性は「『想定外』ということばを生み出した大震災。万全という備えはありません。物は万全でも自身の心の中に少しの緩みがあればそれは万全とは言えません。沿岸住民が避けて通れない津波を長く語り継いでいきたい」と記しました。

震災当時、福島県浪江町に住んでいた本宮市の90代の女性は「震災、津波に対しての復興活動は目に見えるが原発事故に対する復興作業、進行の実感が無い、見えない。復興の停滞は風化そのものです」とつづりました。
アンケートの分析にあたった社会心理学が専門の兵庫県立大学の木村玲欧教授は「去年とおととしの水害など近年大きな災害が相次ぎ災害そのものは注目されたが、東日本大震災で非常に大きな被害を受けた被災者は、自分たちの災害についてまだまだ伝えなければいけないことや考えなければいけないことがあるのに、そこに目がいっていないと感じている。それが風化し忘れられているかもしれないという気持ちにつながっているのではないか」と話しました。