広島県で初の感染確認 30代男性 7回受診したのに…

広島県で初の感染確認 30代男性 7回受診したのに…
広島市は、市内に住む30代の男性が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。男性は先月15日から3つの医療機関を7回にわたって受診したにもかかわらず症状が改善せず、4つ目の医療機関の受診を経て6日、感染が確認されたということです。
広島市によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは広島市に住む30代の自営業の男性です。

市によりますと、男性は先月上旬からせきの症状を訴え、15日から今月4日にかけて3つの医療機関を7回にわたって受診しましたが、せきに加え発熱など肺炎が疑われる症状も出ました。

このため5日、4つ目の医療機関を受診したところ感染している疑いがあるとして遺伝子検査をした結果、6日新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。広島県内で新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは初めてです。

男性は現在、市内の感染症指定医療機関に入院して治療を受けていますが、症状は安定していて重症ではないということです。

男性は発症前の14日以内に中国などへの渡航歴はなく、これまで感染者が確認された場所にも行っていないと話していて、発症後はマスクを着用していたということです。

男性には妻と2人の子どもがいますがこれまでのところ、健康状態に異常は見られないということです。

市では家族以外の関係者との接触状況や、感染経路を調べることにしています。

感染発覚までの経緯

感染が確認された男性は先月上旬にせきの症状が出たあと、先月15日から今月5日にかけて、合わせて4か所の医療機関で8回にわたって診察を受けています。

男性はまず、先月15日と16日、それに、20日の3回にわたって広島市安佐南区の同じ医療機関を受診しました。

その後、先月22日と28日に2か所目となる広島市中区の医療機関を受診しましたが症状が改善せず、今月3日に3か所目となる安佐南区の別の医療機関を受診しています。

そして、翌日の今月4日に2か所目となった中区の医療機関を再度、受診したあと、5日、4か所目となる南区の医療機関を受診したところ、新型コロナウイルスの感染の疑いがあるとして検体を採取されました。

この医療機関で遺伝子検査を行った結果、6日、新型コロナウイルスの感染が確認され、7日、中区にある感染症指定医療機関に入院しました。

検査の結果が出るまで、各医療機関からの報告はなく、広島市や県は感染の疑い例として、この男性のことを全く把握できていませんでした。

広島市長「医療機関から連絡あってもよかった」

広島市で新型コロナウイルスへの感染が確認された男性が、3つの医療機関で7回の受診を重ねても症状が改善せず4つ目の医療機関の診察を経て感染が確認されたことについて、松井市長は、詳しい経緯について調べる考えを示しました。

広島市の松井市長は、安佐南区の30代の自営業の男性が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたことを受け、7日午前11時半すぎ広島市役所で記者会見しました。

この中で松井市長は、男性がせきや発熱といった肺炎が疑われる症状を訴え先月15日から今月4日にかけて3つの医療機関を7回にわたって受診していたものの、市ではその情報を把握しておらず、4つ目の医療機関の受診で感染が確認されたことを明らかにしました。

これについて松井市長は詳しい経緯を調べる考えを示したうえで、「医療機関から市に連絡があってもよかったと思う。これまでも医療機関にはお願いしているが、感染の可能性があった場合は行政が対応できるよう情報提供してもらえるようにしたい」と述べました。