新型ウイルス 待機要請の具体的内容検討急ぐ 厚生労働省

新型ウイルス 待機要請の具体的内容検討急ぐ 厚生労働省
新型コロナウイルスの水際対策の強化で、政府が9日から始める中国と韓国からの入国者への2週間の待機などの要請について、厚生労働省は入国者には自身で確保した宿泊施設などで待機してもらい、滞在費は自己負担とすることなど、具体的な内容の検討を急いでいます。
政府は中国と韓国からの入国者について、日本人も含め2週間の待機などを要請することを決めましたが、今回の要請は、法律に基づく強制的な措置ではないとしています。

厚生労働省は対象となるのは、中国と韓国から航空機や船舶で来日する人で、出発地が別の国や地域でも中国と韓国を経由して入国する場合は待機を求めるとしています。

一方、中国と韓国を出発し別の国や地域を経由して入国するケースについては、対象とするかどうか検討中だということです。

入国後の待機場所は日本人の場合、自宅となる見通しですが、自宅がない外国人などの場合は、自身で確保した宿泊施設で待機してもらうことを想定しているということで、その際の滞在費は自己負担とする方針です。

また、空港から待機場所への移動手段については、公共交通機関以外の自家用車やレンタカーなどを使ってもらう方向で検討を進めています。

一方、待機期間中は毎日、自身で健康状態を確認してもらい、発熱などの症状が出たら相談センターに電話して指定された医療機関の受診を求めることにしています。

厚生労働省は、要請が始まる9日までに、具体的な内容を決めたいとしています。

戸惑いの声が

9日から中国と韓国からの入国者に対して、2週間の待機の要請などが始まるのを前に、海外に滞在している人やその家族からは戸惑いの声が上がっています。

19歳の長女が語学留学しているアメリカから韓国のインチョン(仁川)空港を経由して関西空港に戻ってくる予定だという44歳の母親は、NHKの取材に対し「長女が週明け以降に行きと同じ経路で帰国する予定ですが、韓国で乗り継ぎをするだけでも待機要請の対象になるのか、それがいちばん気になっています」と話していました。

今は韓国を経由しないアメリカからの直行便に変更することを検討しているということで、「担当者も理解しておらず現場が相当、混乱していると感じました。直行便に振り替えられればベストだが、どうなるのか分からない。とにかく今は情報がほしいです」と話していました。