米「雇用統計」市場予想大きく上回るも今後の雇用動向に懸念

米「雇用統計」市場予想大きく上回るも今後の雇用動向に懸念
アメリカの景気の現状を示す重要な指標、雇用統計が発表され、先月の農業分野以外の就業者の数は27万人の増加となり、市場予想を大きく上回りました。ただ、アメリカでは、新型コロナウイルスの感染拡大による実体経済への影響が表れ始めていて、今後の雇用の動向が懸念されています。
アメリカ労働省が6日発表した先月の雇用統計によりますと、失業率は3.5%と引き続き低い水準となっています。

また、農業分野以外の就業者の数は前の月と比べて27万3000人増加し、およそ17万人の増加を見込んでいた市場の予想を大きく上回りました。

業種別にみますと、「製造業」や「医療」分野の就業者が増加しました。

しかし、アメリカでは新型コロナウイルスの感染拡大によって、観光客が減少しているほか、製造業で部品の調達が難しくなるなど実体経済への影響が表れ始めていて、今後の雇用の動向が懸念されています。

中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は今月3日、景気の減速を防ぐ措置として、2008年のリーマンショック以来の緊急の利下げを決めましたが、市場では引き続き、さらなる利下げを求める声が多くなっています。