中小企業の資金繰り支援 金融機関に強く求める 財務省と金融庁

中小企業の資金繰り支援 金融機関に強く求める 財務省と金融庁
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で年度末にかけて中小企業などの資金繰りが厳しくなるとして、財務省と金融庁は民間と政府系の金融機関に対して貸し出し条件の変更などに柔軟に対応するよう強く求めました。さらに適切に対応しているか報告するよう命じる方針です。
新型コロナウイルスの感染拡大で外国人旅行者だけでなく国内旅行者の減少やイベントの自粛、生産の落ち込みなどの影響が広がっていて、年度末にかけて中小企業などの資金繰りがさらに厳しくなることが懸念されています。

このため麻生副総理兼財務大臣は6日夜、記者団に対し、「事業者から資金繰りの不安の声が多く寄せられている。資金繰りに重大な支障が生じることのないようしてもらいたい」と述べ、民間と政府系の金融機関に対し、資金需要が高まる年度末にかけて適切に対応するよう強く要請したことを明らかにしました。

要請の中で財務省と金融庁は、金融機関に対して、状況に応じて元本や金利の返済猶予など貸し出し条件の変更に迅速かつ柔軟に応じるよう求めました。

また、金融機関の側から事業者を訪問し、資金繰りに困っていないか調べるとともに緊急の相談窓口を設置するよう強く求めています。

さらに、金融機関の対応が適切か、特別にヒアリングを実施し、必要に応じて立ち入り検査も行うとともに、金融機関には貸し出し条件の変更を実施しているか報告するよう命じることにしています。

大手銀行 新たな対応

財務省と金融庁が民間と政府系の金融機関に貸し出し条件の変更などに柔軟に対応するよう求めたことを受けて、大手銀行の間では早速融資を受ける企業の負担を軽減するなどの新たな対応が出ています。

このうち、三井住友銀行は要請を受けて「事務手続きを柔軟に行うほか、資金需要の相談などに引き続き丁寧に対応し、お客様を支援していきます」とコメントを出しました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けている中小企業向けの新たな対応として、一部の融資では事務手数料を免除すると発表しました。

三菱UFJ銀行は感染拡大で事業に影響が出ている企業を対象に、優遇金利で最大3000万円を融資する制度を5日から始めています。

国の要請を受けて、今後、この制度を積極的に活用していくとしています。