コロナ疲れ 大丈夫?

コロナ疲れ 大丈夫?
新型コロナウイルスの感染が拡大し、いつ収束するのか先が見えない今、ウイルスをおさえ込むことが大事だと分かっていても、いつまでこんな生活が続くんだろうとストレスがたまり、疲れ切っている人も多いのではないでしょうか。
大変だと伝えられている現場で起きている出来事。
中にはうるっとくる話もありました。
(ネットワーク報道部記者 大窪奈緒子 有吉桃子)

コロナハラスメント?!

マスクや除菌関連の商品の需要増などを背景にドラッグストアの店員が激務や客への対応でストレスを抱えているという悲鳴のような声がネット上でも多くみられます。

ドラッグストアの店員がどれくらい大変な思いをしているのか。
横浜市内のドラッグストアを訪ねました。
取材に答えてくれたのは、店長で薬剤師の飯田昌治さん。
「『コロナハラスメント』なんてことばも聞くようになってきていますが、『確かに…』と実感してしまうこともあります」
飯田さんによると、ここ数週間はずっと午前10時の開店の前からマスクを求める人が店の前に並んでいて、多い日は50人ほどが並ぶ日もあるそうです。
マスクを求めて殺気だっていると感じるお客さんからは…。

「マスクはいつ入るの? あしたは? 何個入荷するの?」
強い口調で詰め寄られることもたびたびだそうです。

1日に500人ほどのお客さんに「在庫がなくすいません」と従業員が頭を下げているそうです。
ただ、ここ2日くらいはドラッグストアの店員の大変さがツイッターなどで話題になったこともあり、同情する声も寄せられているとのことで、「あなたたちも大変ね」などとお客さんから声をかけてもらうことも増えたそうです。
飯田さん
「マスクが入荷しない状況を申し訳ない気持ちでいます。私たちの力ではどうしようもない部分もあるのですが…」

私みたいな人 ほかにも

そんな中、品薄になっている商品をめぐる客どうしの間のこんなやり取りを書き込んだツイートに多くの人の反応がありました。
もももさんは、今月ドラッグストアに行ったところ、1歳の子どものおむつが売り切れて困っているお母さんに遭遇しました。
そのお母さんは、泣きそうになりながら介護用おむつの棚の前で代用できないかどうかネットで検索していたそうです。

もももさんは、思わず「赤ちゃんのおむつ足りないですか?」と声をかけました。

母親によると、子どもが胃腸炎になってあっという間におむつが残り半パックになってしまったということ。
もももさんは家に急いで戻り、自分の子どものおむつとお尻ふき2パックずつを取ってきて、お母さんに渡したそうです。
もももさん
「皆さんが私のことを『偉い』『すばらしい』とほめてくれるのですが、それよりもこの事態を『問題だ』ととらえてくれる人がたくさんいることがうれしかったです」
「私自身産後ブルーになった時期があって、SOSを出すのはとても勇気がいると分かっています。だからこそ自分から声をかけようと思いました。こんな状況ですが、同じように助けてあげたい、力になりたいと思っている人はほかにもいるので、困ったときにふと振り返ったら何か言いたげにそわそわしている私みたいな誰かがいるかもしれませんよ」

花が売れない…

卒業式や謝恩会などのイベントが次々と縮小や中止となり、生花を取り扱う業界にも影響が出ています。
東京・世田谷区の世田谷市場で生花市場を運営する会社によると、本来3月は1年間で最も花が売れる時期。

ただ、ことしは、イベントの中止などにより需要が減り、卸売単価が去年の同じ時期に比べて15%から20%ほど低くなっているということです。
担当者は「厳しい状況です。早く新型コロナウイルス感染症が収束してほしい」と話していました。

#お花を買って帰ろう

ネット上では、花屋さんを助けようという動きも出ています。
「#お花を買って帰ろう」とハッシュタグをつけて呼びかけているのは、まりすさんです。
まりすさんは、花屋さんに行った際、何気なく「卒業式がなくなったりして大変ですね」と声をかけたところ、「卒業式だけではなく各種イベントが中止になって本当はかき入れ時なのに困っている」と切実な声で訴えられたそうです。

そのときは、「頑張ってください」としか声をかけられませんでしたが、何かできないかと考え「#お花を買って帰ろう」とハッシュタグをつけて「ぜひぜひ『お近くのお花屋さん』でたまにはお花を買っておうちに飾ってみませんか?」とツイートしました。

このツイートは3万5000人以上に見られたそうです。
まりすさん
「お花屋さんの窮状を救いたいという気持ちだけでツイートしたのですが、それが皆さんの心の潤いにもつながったようですし、思った以上にじわじわと広がっていて皆さんの温かい思いに感謝しています」

#牛乳飲もう

困っている誰かを支援したいという動きはこんなところでも広がっています。

臨時休校に伴って学校給食もストップし牛乳の需要の減少が見込まれる中、SNSで「#牛乳飲もう」や「#牛乳消費」と明示して酪農家の人たちを支援する人たちがいます。

千葉市に住む料理研究家のリュウジさんは、牛乳が余っていると聞いて、おつまみにもなる「牛乳豆腐」や「何度も作りたくなる牛乳消費極上パスタ」、「飲むレアチーズケーキ」など、牛乳を使ったレシピをいくつも公開しています。
また、臨時休校中の子どもたちと家で一緒に作ってもらおうと、「火を使わない!お子様と一緒に作れる簡単レンジレシピ100選」もまとめて公開しました。
リュウジさん
「酪農家さんにも頑張ってほしいと思いますし、感染の拡大や学校の休校などの影響で食事を作る人も増えていると思うので、料理研究家として少しでも社会貢献をしたいと考えました。いつもよりたくさんの人に投稿を拡散してもらっていて、善意が広がっていると感じています」
東京・渋谷のNHK近くの飲食店でも高校生以下の客に牛乳を1杯無料で提供しているという情報をキャッチして取材してきました。
手作りチーズを販売しているこのお店は、ふだんから酪農家とのつながりが深いこともあり、今回の事態を自分のことのように心配しています。
「毎朝早く起きて牛の世話をして乳を搾るという重労働をしている酪農家さんを単純にリスペクトしています。僕らとして何ができるか考えましたが、チーズを作るにも限界があるので、大勢の人に現状を知ってもらい考えてもらうきっかけになればと牛乳の無料提供を始めました」
藤川さんのお店も予約のキャンセルが相次ぐなどして売り上げは通常の3分の2程度まで落ち込んでいるということです。
藤川真至さん
「まずは新型コロナウイルスの感染拡大が収束してほしいですが、収束したからと言ってもすぐに景気は戻らないと思います。みんなが自分の好きなものや好きなお店を応援する気持ちで互いに支え合っていけたらいいんじゃないでしょうか」
大変な時ほど人の優しさが身にしみる。
感染しないように、感染を広げないようにみんなが神経をすり減らしている今だからこそ、今回、取材した人たちのような優しさが広がっていってほしいと思います。