感染拡大の可能性ある米クルーズ船 日本人4人も乗船

感染拡大の可能性ある米クルーズ船 日本人4人も乗船
新型コロナウイルスの感染が広がっている可能性があるとして、アメリカの保健当局が調査している、カリフォルニア州沖を航行中のクルーズ船について、船の運航会社は、乗客と乗員に日本人4人が含まれていることを明らかにしました。運航会社はインフルエンザに似た症状が見られる乗客・乗員など数十人を対象に検査を行い、結果が出るまで船内にとどめる方針です。
このクルーズ船は、アメリカの会社「プリンセス・クルーズ」が運航する「グランド・プリンセス」で、ハワイを出港したあとカリフォルニア州のサンフランシスコに向かっています。

クルーズ船は、先月の航海で乗船した客がカリフォルニア州内の感染者の集団に含まれている可能性があるとして、アメリカのCDC=疾病対策センターが調査を進めています。

運航会社はクルーズ船の乗客と乗員の数を公表していませんが、5日、NHKの取材に対し、乗客3人と乗員1人の合わせて4人の日本人が乗っていることを明らかにしました。

また、運航会社は4日、声明を発表し、乗客・乗員のうち、先月、船を降りたあと新型コロナウイルスへの感染が確認された元乗客と同じ航海に参加していたり、インフルエンザに似た症状が見られたりする数十人を対象に、ウイルスに感染していないか検査を行い、結果が出るまで船内にとどめる方針を示しました。

沿岸警備隊のヘリコプターがクルーズ船に検査キットを届けるということです。クルーズ船の運航会社「プリンセス・クルーズ」は、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」も運航しています。

“心配だが乗員と政府の対応信じる”クルーズ船乗客

アメリカの保健当局が新型コロナウイルスへの感染の可能性を調査しているクルーズ船「グランド・プリンセス」に乗船する乗客のアメリカ人夫婦が5日、SNSを通じてNHKのインタビューに応じました。

インタビューに応じたのは、カリフォルニア州に住むスティーブン・スミスさんとミシェル・スミスさんで、休暇を利用して「グランド・プリンセス」の船旅に参加しています。

スティーブンさんによりますと2人は、「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウイルスに集団感染したニュースを見て、ツアーに参加するかどうか迷いましたが、最終的に参加を決めたということです。

ツアーの途中の4日の朝、船長からアナウンスがあり、船内での新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、予定を切り上げてサンフランシスコに戻ることを知らされたということです。

スティーブンさんは、船内で複数の人たちが検査を受けていると明らかにしたうえで「先行きに心配はあるが、いまは乗員と政府がしっかり対応してくれると信じている」と話していました。

ミシェルさんは「感染を防ぐため、自分たちも何度も手洗いをし、乗員たちが頻繁に掃除をしている」と船内の様子を語っていました。