首相 生産拠点の国内回帰を後押しする考え

首相 生産拠点の国内回帰を後押しする考え
新型コロナウイルスの感染拡大で中国からの電子部品などのサプライチェーンへの影響が懸念される中、安倍総理大臣は会合で1つの国への生産依存度が高い製品は生産拠点の国内回帰を後押しする考えを示しました。
5日開かれた未来投資会議では新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響が議題になりました。

まず内閣官房の担当者から日本はほかの先進国に比べて、電子部品や自動車部品などを中国から輸入している割合が高く、民間の調査ではサプライチェーンへの影響を懸念する企業が多いことなどが報告されました。

これを受け安倍総理大臣は「中国などから日本への製品供給の減少によるサプライチェーンへの影響が懸念される中で、1国への依存度が高い製品で付加価値が高いものはわが国への生産拠点の回帰を図る」と述べ、生産拠点の国内回帰を後押しする考えを示しました。

そのうえで付加価値が高くない製品についても「ASEAN諸国などへの生産拠点の多元化を図る」と述べ、サプライチェーンの強化を目指す考えを示しました。

また感染拡大の終息後には東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて人の流れを回復させる必要があるとして、観光需要の喚起など国を挙げたキャンペーンを検討する考えも明らかにしました。

さらに「経済の下押しリスクを乗り越えるためにも、賃上げの流れの継続が重要だ」と強調しました。

西村経済再生相「人の流れの活発化 官民一丸で」

西村経済再生担当大臣は、記者会見で、「今は、感染拡大の防止や中小企業の資金繰り、雇用を守ることに全力を挙げているが、感染が終息して経済を回復させる段階になれば、サプライチェーンの改革や、人の流れの活発化を、官民一丸で進めなければならない」と述べました。