“二重の打撃”で厳しい状況に 中小メーカー 新型ウイルス

“二重の打撃”で厳しい状況に 中小メーカー 新型ウイルス
新型コロナウイルスの影響で、中小のメーカーでは、中国の工場から製品が届かないうえ、国内ではイベントの中止で販売戦略を立てられないなど、事業の広い範囲で厳しい状況に置かれています。
東京 新宿区に本社を置く「エツミ」は、カメラを入れるバッグや三脚など、カメラ関連製品のメーカーで、主に中国の企業に生産を委託しています。

このうちバッグの生産を委託している中国の工場は、新型コロナウイルスの影響で、いったん生産がストップしましたが、先月下旬に操業を再開したということです。

ただ、中国国内で移動が制限され、出社できる従業員が限られ、工場の稼働率は6割から8割程度にとどまっているということです。

さらにバッグの生地を作っている素材メーカーの工場は、今も生産を再開できていないということです。

このため、ことしの大型連休の商戦を目指して来月中旬を予定していた製品の納入は、早くても5月下旬にずれこんでしまう見通しになったということです。

さらに国内でのイベント中止の影響も受けています。

先月には、横浜市で予定されていたアジア最大級のカメラの展示会「CP+」が中止になりました。

この会社では、海外のメーカーから輸入したカメラ用バッグなどを展示して、訪れた人たちの反応から価格や仕入れる数量を決める計画でしたが、その機会が失われました。

「エツミ」の伊藤安男営業本部長は「製品を入荷できず、展示会でアピールもできず、悔しい状況が続いている。何とか事態が改善してほしい」と話しています。