休校 世界で広がる 3億人近く学校に通えず 新型ウイルス

休校 世界で広がる 3億人近く学校に通えず 新型ウイルス
日本で学校の休校が続く中、世界で新型コロナウイルスの感染予防のため、全国規模で学校を休校にする措置を取っている国と地域は、日本を含め世界で15に上り、2億9050万人の子どもや若者が学校に通えなくなっていることが、ユネスコ=国連教育科学文化機関のまとめで分かりました。
それによりますと、全国規模で学校を休校にする措置を取っているのは、日本のほか、中国、香港、マカオ、モンゴル、北朝鮮、イタリア、アルメニア、アゼルバイジャン、バーレーン、イラン、イラク、クウェート、レバノン、UAE=アラブ首長国連邦と、世界全体で15の国と地域に上り、2億9050万9228人の子どもや若者が学校に通えなくなっているということです。

このほか、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、パキスタンの9か国では、一部の地区で学校を休校にしていて、今後これらの国が全国規模で学校を休校にする措置を取った場合、さらに1億8000万人が学校に通えなくなるということです。

これに関してユネスコは、休校により学びの機会が失われるだけでなく、給食を頼りにする多くの子どもが食事をとれなくなったり、自宅で1人で過ごすことで危険にさらされるリスクが高まるとしています。

さらに子どもの面倒をみるために親が働けなくなり、賃金が下がったり、危機のさなかに医療機関で働く女性が現場にいられなくなったりするおそれもあると指摘しています。

アズレ事務局長は「危機的な状況下での一時的な休校が、今回ほどの規模や速さで進むことは前例がなく、長期化すれば教育を受ける権利を脅かしうる」と指摘していて、ユネスコとして10日に緊急の教育相会合を主催し対策を協議するとしています。