NY株式市場 不安定な動き 専門家「回復までかなりの時間」

NY株式市場 不安定な動き 専門家「回復までかなりの時間」
新型コロナウイルスの感染拡大への懸念からニューヨーク株式市場は先週から株価が乱高下する不安定な動きが続いていますが、専門家は、株価回復まではかなりの時間がかかるという認識を示しています。さらに、中央銀行による利下げや、各国政府による財政出動などでは株価の安定には十分ではないという指摘もしています。
株価の動向に詳しいシニアアナリストのハワード・シルバーブラット氏はまず、FRBの緊急利下げに関連して、今後も追加の利下げが行われるという見通しを示したうえで、「利下げによって市場への資金供給も増えるだろうし、政府が財政出動をすれば市民に還元もあるだろうが、市場が『底』と見ているのは新型コロナウイルスの感染が止まることだ」と述べ、金融政策や財政政策などでは株価の安定には十分ではないという認識を示しました。

アメリカ経済への影響について、シルバーブラット氏は、アメリカ経済の7割を「個人消費」が占めているため、学校の休業や工場の操業停止などが広がれば消費が冷え込み、一気に景気後退に陥る可能性があると指摘しました。

さらにシルバーブラット氏は株価が不安定な動きを続ける要素として、経済政策面で穏健なバイデン前副大統領と急進的なサンダース上院議員が争う11月の大統領選挙に向けた野党・民主党の候補者選びを挙げています。

そしてシルバーブラット氏は「これによっても株価は非常に不安定になっている。民主党の候補が決まることし7月の党大会まで続くかもしれない」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大に大統領選挙も絡んで、株価回復まではかなりの時間がかかるという認識を示しています。