首相 緊急事態宣言を可能にする特措法改正 早期成立に協力を

首相 緊急事態宣言を可能にする特措法改正 早期成立に協力を
新型コロナウイルスをめぐり、安倍総理大臣は参議院予算委員会で、さらなる感染拡大に備え、「緊急事態宣言」などを可能とするよう、新型インフルエンザ対策の特別措置法を改正する考えを改めて示し、早期成立に協力を求めました。
この中で、安倍総理大臣は、WHO=世界保健機関が感染が広がっている日本などに懸念を示したことについて「真剣に受け止めなければならない。この1、2週間が、感染が拡大していくのか、収束するのかの瀬戸際で正念場だという指摘もあり、できるかぎりの対策を進めていかなければならない」と述べました。

そのうえで「新型コロナウイルス感染症を、新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象とする改正をお願いしたいと考えている。改正により、特別措置法で定めた行動計画や『緊急事態宣言』などについても、新型コロナウイルス感染症に適用できる。党首会談を行い、話も伺いたい」と述べ、早期成立に協力を求めました。

さらに「緊急事態宣言」の実施について安倍総理大臣は「専門家の意見を聴いて検討し、決定したい。特別措置法では、緊急事態宣言の要件は、『全国的かつ急速なまん延により、国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるとき』とされており、こうした要件を踏まえて適切に対処していきたい」と述べました。

一方、特別措置法に基づき、医療体制を整備する実施要綱について、厚生労働省が、新型コロナウイルスにも適用できるように改正し、先月18日に都道府県に通達していたことがわかり、立憲民主党の福山幹事長が、新型コロナウイルスには特別措置法を適用できないとしてきた政府の説明と矛盾すると指摘しました。

これに対し、加藤厚生労働大臣は「新型インフルエンザのために備蓄されていたマスクなどの物資を、予算事業として新型コロナウイルスにも活用できるように直したものであり、特別措置法における『新感染症』に位置づけることとは異なる」と釈明しました。

また、品薄状態が続くマスクについて、安倍総理大臣は「医療機関や介護施設などに優先づけをして、届けていくように対応していかなければいけない。一部の人たちが転売目的で大量に買っていることについては、どのような手段で強制力をもって対応することができるか、早急に検討している」と述べました。

そして、各省庁が備蓄している740万枚余りのマスクについて「緊急的な事態においても、政府機能は維持はしなければいけない中、何枚必要かも含め確認する必要がある。総力を挙げて、優先順位をつけて、できるかぎり供給していきたい」と述べました。

さらに、経済への影響について、安倍総理大臣は「総合経済対策を着実に実施するとともに、世界経済の動向も十分に注視し、インパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行っていく」と述べました。

このほか、運転免許証の有効期間について、警察庁の担当者は、感染の拡大を防止するため延長できるようにする方針を明らかにしました。