新型ウイルスを今より短時間で検査の試薬開発 島津製作所

新型ウイルスを今より短時間で検査の試薬開発 島津製作所
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、京都市の大手分析機器メーカー島津製作所は、これまでよりも短い時間でウイルスの検査を行える検査試薬を開発し、早ければ今月中にも研究用として供給を始めることにしています。
これは島津製作所が4日、京都市内で開いた会見で明らかにしました。

新型コロナウイルスのPCR検査では、ウイルスの遺伝子の抽出にあたって余分な成分を取り除くために10工程以上の前処理が必要ですが、新たな検査試薬は、従来のPCR検査薬に余分な成分の影響を受けないようにする薬品を加えることで、前処理を省くことができるということです。

PCR検査は一般に、精度を高めるため2時間ほどかかる検査を2度行い、準備の時間を含めて6時間ほどかかっています。

島津製作所によりますと、この試薬を使えば2時間ほどかかる検査を1時間ほどに短くできるということです。

配合する薬品は、島津製作所が販売しているノロウイルスの試薬に使われているため、新しい検査薬は開発に時間がかからないということで、まずは研究用として、今月中にも2万人から5万人分の試薬を供給する体制を整えることにしています。

島津製作所の四方正光 遺伝子解析グループ長は「検査にかかる時間を短くできないかという世間の要望に対して、われわれが持つ技術で応え、1日でも早く開発したい」と話しています。