クルーズ船 乗員・乗客から緊急相談も 精神医療チーム活動報告

クルーズ船 乗員・乗客から緊急相談も 精神医療チーム活動報告
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新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船などに派遣された「災害派遣精神医療チーム」=DPAT(ディーパット)の事務局が会見し、乗客や乗員からは不眠や不安の訴えのほか、精神的に追い詰められるなど緊急の対応が必要なケースもあったことを明らかにしました。
厚生労働省の委託でDPATの事務局を運営している「日本精神科病院協会」は、3日で派遣活動が終わったことを受け、会見を開きました。

DPATは精神医療の専門家でつくるチームで、先月2日から今月3日まで、クルーズ船のほか帰国者の滞在施設などへ医師や看護師など延べおよそ550人が派遣されたということです。

対応した相談は合わせて385件で、内容は「眠れない」とか「不安だ」とする訴えが多く、中には「死にたい」とか「船から飛び降りたい」といった緊急の対応が必要なケースもあったということです。

またクルーズ船では、夫婦のうち1人の感染が確認され搬送された後、船室に残ったもう1人が不安を抱えるケースが目立ったということです。

DPATは災害時に都道府県の要請を受けて派遣されますが、平成25年の設立以降、感染症の対応にあたったのは今回が初めてです。

会見したDPAT事務局の野木渡 事務局長は「これまでになく大変な活動だった。未知の感染症という不安がある中、参加した隊員が風評被害を受けないよう、国には対応してほしい」と話しています。