「OB訪問」をオンラインで 新型ウイルス感染防止

「OB訪問」をオンラインで 新型ウイルス感染防止
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、企業の中には、就職を希望する学生と面談するいわゆる「OB訪問」を、スマートフォンのアプリを使ったオンラインで行う動きも出ています。
大手広告会社の「電通」は先月、本社ビルに勤務する従業員が新型コロナウイルスに感染していたことが分かり、現在は原則として在宅での勤務に切り替えています。

これに合わせて、社員が就職を希望する学生と面談する「OB訪問」は、直接、会うことは避けてスマートフォンのアプリで行う対応をとっています。

都内の大学に通う3年生の柴田賢人さんは、3日、自宅でスーツを着込み、アプリを使って「電通」の社員の用丸雅也さんを呼び出しました。

柴田さんは、スマートフォンの画面にうつる用丸さんにおよそ1時間にわたって仕事のやりがいを尋ねたり、エントリーシートの書き方について助言を求めたりしていました。

このアプリは、就職支援などを行っている会社が開発し、さまざまな企業の社員や学生、およそ10万人が登録しているということです。

柴田さんは「新型コロナウイルスの影響でOB訪問を自由に行えないので、オンラインを使った活動を積極的に行いたい」と話していました。

「電通」の社員の用丸さんは「自宅だと学生は緊張せずにリラックスして話せるメリットもあると思いました。在宅勤務中ですが、できるかぎり学生のニーズに応えていきたい」と話していました。

来年春に卒業する大学生の就職活動は、今月から本格化していますが、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、大規模な合同企業説明会が相次いで中止されたり、採用面接をオンラインで行う企業が出始めたりするなど、影響が広がっています。