「緊急事態宣言」可能にする法案 与党側が早期成立の方針確認

「緊急事態宣言」可能にする法案 与党側が早期成立の方針確認
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新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合に備え「緊急事態宣言」を可能にする法案をめぐる与野党の党首会談を前に、与党側は早期の成立を目指す方針を確認しました。一方、野党側も基本的に協力することで一致しました。
新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合に備え、安倍総理大臣は4日夕方、野党の党首と会談し「緊急事態宣言」を可能にする法案の早期成立に向け、協力を呼びかけることにしています。

これを前に、自民・公明両党の幹事長と国会対策委員長らが4日朝都内で会談し「いかなる状況になっても対応できる体制を作り上げることが大事だ」として、法案の早期成立を目指す方針を確認しました。

自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し「1時間でも早く成立させるべきだ。来週中というのはタイトな日程だが、何とか野党の理解をいただきたい」と述べました。

一方、立憲民主党など野党側は国会対策委員長が会談し「政府の対応には問題があるが、必要な法整備だ」などとして、基本的に協力するとともに、共同で提出した円滑なウイルス検査を促す法案も成立させるよう求めることで一致しました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「政府の責任で法案を提出してもらい、それぞれの党で議論する。スピーディーに処理することには協力する」と述べました。

官房長官「特措法と同等の措置を」

菅官房長官は午前の記者会見で、政府・与党が新型インフルエンザ対策の特別措置法を改正し、新型コロナウイルスにも適用できるように検討していることについて「現行の特別措置法は新型インフルエンザと感染症法上の『新感染症』を対象としており、今回の新型コロナウイルスはこれらに該当しないため対象とならない。緊急事態宣言の実施も含めて、この特措法と同等の措置を講じることが可能となる立法措置を早急に進める」と述べました。

自民 中谷 元防衛相「与野党協議し必要な法整備を」

自民党の中谷 元防衛大臣は谷垣グループの会合で「いまいちばんの問題はウイルス検査がすぐに受けられないことだ。野党側が検査を促進する法案を提出しており、検査の在り方も含め、与野党がしっかり協議して、早期に結論を出し必要な法整備をすべきだ」と述べました。

共産 穀田国対委員長「法整備 吟味の必要」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で「現行の特別措置法の議論をした際、共産党は『人権侵害のおそれがある』と主張して反対しており、法整備の必要性や緊急性を含めて、しっかり吟味する必要がある」と述べました。

社民 福島党首「私権の制限を懸念」

社民党の福島党首は記者会見で「特別措置法では私権の制限などが行政側の判断で事実上できてしまうというのが最大の懸念事項だ。どのような法改正なのかをしっかり聞いて、党内で議論したい」と述べました。