児童の預かりやオンライン補習も 臨時休校で各地の対応は…

児童の預かりやオンライン補習も 臨時休校で各地の対応は…
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、千葉市では3日から市立の小中学校が臨時休校となる中、日中、親が子どもをみられない家庭の小学1、2年生については学校で預かる取り組みを始めました。
千葉市では3日から市立の小中学校およそ160校が2週間の臨時休校となりましたが、感染のリスクが高まるとして日中は学童保育を開かず、子どもをみられない家庭の小学1、2年生だけを学校で受け入れることにしました。

このうち千葉市稲毛区の園生小学校では、マスクを着けた子どもたちが元気にあいさつしながら登校しました。

登校した1、2年生はふだんの4分の1ほどのおよそ50人で、教員が見守る中、感染を防ぐため1人ずつ離れて座って自習をしたり読書をしたりしていました。

2年生の男の子は「いつもより友達が少なくてちょっと寂しいです。勉強もしっかりやりたいです」と話していました。

網野一志校長は「突然の休校で保護者は不安だったと思いますが、子どもを送って来た時には、安心した様子の方が多かったです。少人数であっても、手洗い、うがい、消毒を徹底し感染を防ぎたいです」と話していました。

休校の中学校でオンライン補習

新型コロナウイルスの影響で臨時休校中の生徒の学習を支援しようと、和歌山市にある中学校では、生徒が自宅でインターネットを使って授業を受けることができる「オンライン補習」を始めました。

「オンライン補習」を始めたのは2日から臨時休校となった和歌山大学教育学部附属中学校で、休校中の生徒を支援しようと始めました。

補習の対象は、ふだんから全員が授業でタブレット端末を使っている1年生だけで、全員にタブレット端末が支給されている1年生で、初日の3日は英語と理科の授業が行われ、教師が生徒のいない教室でふだん通りに授業を行い、その様子をインターネットで配信しました。

生徒たちは自宅にいながら教師に質問したり、問題を解いたりしていました。授業を受けた女子生徒は「授業中に質問もでき、わかりやすさはふだんの授業とそれほど変わらないです」と話していました。

授業を担当した矢野充博 教諭は「チャット機能を使って相互のやりとりも可能で、生徒がどれぐらい理解しているかを見極めながら教えることができます」と話していました。

学校によりますとオンライン補習は、専用の教材を作る教師とモニターを見続ける生徒の双方に負担がかかるとして、毎日2教科に限って今月19日まで続けるということです。

「勉強についていけるか心配」の声も

小中学校などで臨時休校が続いている千葉県市川市では自宅で過ごしている子どもたちがインターネットを使って家庭学習に励んでいますが、不安の声も上がっています。

千葉県市川市の市立の小中学校などは、スポーツクラブの利用者に新型コロナウイルスの感染者が複数出たことなどから国の要請に先立って先月28日から臨時休校になっています。

市川市では、家のパソコンやタブレットを使って民間の事業者が提供する学習サイトを無料で使えるようにするなど、子どもたちが家庭で学習できる環境を整えています。

小学6年生の長優花さんは、平日は学校がある時と同じ時間に起きて、パソコンを使って学習しています。プリントなどの宿題よりも気軽に取り組みやすいと感じていますが、卒業を控えて不安もあるといいます。

長さんは「学校だと苦手な教科は先生が教えてくれるし、友達と励まし合ってできる。中学校に進学して、勉強についていけるか心配です」と話していました。

母親の綾子さん(42)は「小学校の勉強が家庭学習で終わってしまうのが寂しいし残念です。本当に2週間で休校が終わるのか不安も残ります」と話していました。

市川市は、パソコンなどの通信環境がない子どもには、通常の宿題を出して学習の進み具合に差が出ないようにしているということです。