タイ国際航空3年連続赤字 ことしは新型ウイルスの影響も

東南アジア有数の航空会社、タイ国際航空の去年1年間の決算はアメリカと中国の貿易摩擦の影響などで3年連続の最終赤字に陥りました。さらにことしは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、減便を余儀なくされるなど経営環境は厳しさを増しています。
タイ国際航空が2日発表した去年1年間の決算によりますと、売り上げが日本円にしておよそ6300億円と、前の年より7.7%減少しました。また、最終的な損益は410億円余りの赤字と、3年連続の最終赤字に陥りました。

これは、米中の貿易摩擦の影響で貨物の需要が減ったことや格安航空会社との競争の激化で旅客の運賃収入が伸び悩んだためで、社長など経営陣の給与を50%削減することを決めました。

さらにことしは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、アジア路線を中心に需要が大きく減少するなど経営環境は厳しさを増しています。

スメート社長は記者会見で「新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、いかに生き残りを図るかが経営の優先課題となっている」と述べ、危機感を示しました。

新型コロナウイルスをめぐっては、世界各国の航空会社のことし1年間のアジア太平洋地域での損失が3兆円を超えるという試算も出ていて、深刻な影響が広がりそうです。