韓国 休業した中小企業や入院者を支援 新型ウイルス

韓国 休業した中小企業や入院者を支援 新型ウイルス
韓国では、新型コロナウイルスの感染拡大で中国との取り引きが減少して操業を停止するなど中小企業を中心に影響が広がっていて、韓国の経済団体が先月下旬、中小企業300社を対象に実施したアンケート調査では、70.3%が「直接的または間接的に被害がある」と回答しました。このため韓国政府は、休業した中小企業に対する支援や感染して入院した人への支援などさまざまな対策を打ち出しています。
韓国の雇用労働省では、新型コロナウイルスの影響で1か月以上操業を停止するなどした企業に人件費の4分の3を上限に「雇用維持支援金」を支給するとしていて、先月27日までのおよそ1か月で1600社余りが申請したということです。

また保健福祉省は、従業員が隔離や入院を余儀なくされて有給休暇を取得した場合、給料に充ててもらうため、その企業に対して1人当たり1日およそ1万2000円を上限に支給するとしています。

有給休暇を取得せずに、入院するなどして会社を休んだ人に対しては「生活支援費」として4人家族の場合、1か月当たり11万円余りを支給するとしています。

ただ、感染拡大に歯止めがかからない状況が続き、中小企業のアンケートでは多くの企業が「対応策がない」と答えていて、企業の間では今後の経営に不安が広がっています。

感染拡大防止へ罰則設けた新法も

韓国の国会では先月26日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ対策として、罰則などを設けた3つの法律が成立しました。

「コロナ3法」と呼ばれているこれらの法律によって、感染の疑いがある人が検査を拒否した場合、日本円でおよそ27万円以下の罰金を科せられます。

また、感染の疑いのある人が隔離や入院治療の措置に従わなかった場合、1年以下の懲役、または日本円にしておよそ90万円以下の罰金を科せられます。

さらに、感染症の流行で医薬品が足りなくなった場合はマスクや消毒剤などの医薬品を輸出することや国外に持ち出すことが禁止できることになりました。

このほか「コロナ3法」には、罰則だけではなく、医療機関での監視システムの構築や、防疫官や疫学調査官の人員拡大などさまざまな対策も盛り込まれています。