「屋内の閉鎖空間 急速拡大も」 国の専門家会議が見解

「屋内の閉鎖空間 急速拡大も」 国の専門家会議が見解
新型コロナウイルス対策の専門家会議は、感染した人が最も多い北海道などのデータを分析したうえでの見解をまとめ、感染しても症状の軽い若い世代が気付かないうちに感染を広げてしまっていると考えられるとして、軽いかぜの症状でも外出を控え、風通しの悪い空間でのイベントにできるだけ行かないよう呼びかけました。
国の新型コロナウイルスの緊急対策本部の専門家会議は、北海道での感染の広がりなどを受けて、2日、感染の状況や今後求められる対策についての見解をまとめました。

この中では、ここ数日で分かってきたこととして、症状の軽い人が気付かないうちに感染拡大に重要な役割を果たしていると考えられるとしています。

また、感染した人のうち、およそ80%は他の人に感染させていない一方、屋内の閉鎖的な空間において、至近距離で一定時間交わることによって1人から複数の人に感染させたケースが報告され、その具体的な場所としてライブハウスやスポーツジム、ビュッフェスタイルの会食などを挙げています。

そのうえで、感染者数が最も多い北海道の状況について、若い世代が多い都市部で社会・経済活動が活発な人たちが感染のリスクが高い場所に多く集まりやすく、気付かないうちに感染が広がり、その一部の人がほかの地域に移動することで感染が拡大したと考えられると指摘しています。

そして、この1、2週間に積極的な対応を行えば、感染拡大を急速に収束させることが可能だとして、のどの痛みだけなど軽いかぜの症状でも外出を控え、規模の大小にかかわらず、風通しの悪い空間で至近距離で会話する場所やイベントにできるだけ行かないよう呼びかけています。

その一方で、症状のない人は散歩やジョギング、買い物など、屋外での活動や、人との接触が少ない活動、それに手を伸ばして相手に届かない距離をとって会話することなどは感染のリスクは低いとしています。

さらに見解では、10代から30代の人に対して、重症化するリスクの高い人に感染を広める可能性があるとして「人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人たちの重症化を食い止め、命を救えます」と訴えています。