卒業式中止で…生徒一人一人の名前 教員が読み上げ動画で配信

卒業式中止で…生徒一人一人の名前 教員が読み上げ動画で配信
新型コロナウイルスの感染の拡大を防ぐため、北海道江別市の高校では29日の卒業式が中止となり、教員たちが生徒一人一人の名前を読み上げた動画を作って生徒に配信しました。
江別市にある酪農学園大学付属とわの森三愛高校では、寮生活を送る3年生は先月下旬からいったん帰宅したあと、再び寮に戻って29日予定されていた卒業式に臨むことにしていました。

しかし、学校では生徒を呼び戻すことが感染の拡大につながると判断し、卒業式を中止しました。

これを受けて教員たちは、生徒に卒業式の雰囲気を少しでも感じてもらおうと動画を作りました。

動画は卒業生227人の名前をクラスの担任が読み上げたものや、校長が生徒に卒業証書を手渡す様子のイメージ、それに、29日撮影した教職員が校歌を歌う様子などが収められ、29日午前10時に生徒たちに配信されました。

この企画を発案した学年主任の八木啓太教諭は「卒業生の名前を呼ぶことで3年間の思いを乗せてはなむけとして送り出したいと思った。卒業式は1つの区切りなので、次のステージに向かってこのことを糧に一生懸命頑張ってほしい」と話していました。

宮城では保護者招かず各教室で卒業式

宮城県内の一部の高校では、29日卒業式が行われましたが、新型コロナウイルスによる感染拡大を防ぐため、保護者や来賓を招かず、卒業生がそれぞれの教室で卒業証書を受け取る異例の形となりました。

仙台市の仙台育英高校では、例年在校生およそ2000人のほか保護者や来賓が出席し、体育館で卒業式が行われます。

しかし、ことしは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、保護者や来賓を招かないほか、在校生の出席も取りやめるなど、規模を大幅に縮小して行われました。

29日は、およそ1000人の卒業生がそれぞれの教室に分かれ、担任から一人一人、卒業証書を受け取りました。

式辞や答辞は、印刷されたものが配られ、式はおよそ40分で終了しました。

宮城県の小中学校や高校などでは、ほとんどの学校が、2日から16日まで臨時休校となり、修了式は17日に行われるということです。