国債や金買う動き強まる 新型ウイルス感染拡大で

国債や金買う動き強まる 新型ウイルス感染拡大で
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、投資家の間ではリスクを避けるため比較的、安全な資産とされる債券や金を買う動きが強まっています。
このうち、28日の債券市場では国債を買う動きが強まり長期金利は低下しています。

国債は、買い手が増えて価格が上がると、利回りが低下し、逆に売り手が増えて価格が下がると、利回りは上昇します。

このため長期金利の代表的な指標とされる満期までの期間が10年の国債の利回りは、28日正午時点でマイナス0.145%まで低下し、およそ4か月ぶりの低い水準となっています。

また、金を買う動きも強まって値上がりしています。東京商品取引所の金の取り引きでは、ことし12月ものの先物価格が、今週25日、一時1グラム当たり5913円となり、金の先物が取り引きされるようになった1982年以降で、最高値を更新しました。その後も、ほぼ同じ水準で推移しています。

市場関係者は「株価が急落したこともあって投資家は手持ちの株式を売って安全な資産を買う動きに拍車がかかっている。当面はリスクを避ける姿勢が続くだろう」と話しています。

一方、世界経済が今後低迷し原油の需要が減るとして、東京原油市場では、先物に売り注文が出て、取り引きの中心になる先物価格は一時、1キロリット当たり3万3700円と、27日の終値より1000円以上値下がりしています。