全国の小中高 臨時休校要請へ 来月2日~春休みまで 首相

全国の小中高 臨時休校要請へ 来月2日~春休みまで 首相
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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍総理大臣は来月2日から全国すべての小学校・中学校、それに高校などについて、春休みに入るまで臨時休校とするよう要請する考えを示し、文部科学省は、今後、全国の関係機関に要請を行う事にしています。今回の要請に幼稚園や保育所、学童保育は含まれていないということです。
政府は、27日午後6時すぎ、総理大臣官邸で新型コロナウイルスの対策本部を開きました。

この中で安倍総理大臣は、北海道や千葉県市川市で小中学校などの臨時休校の措置が取られていることに触れたうえで「各地域で子どもたちへの感染拡大を防止する努力がなされているが、ここ1、2週間が極めて重要な時期だ」と述べました。

そのうえで「何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え、多くの子どもたちや教員が日常的に長時間集まることによる大規模な感染リスクにあらかじめ備える」と述べ、来月2日から全国すべての小学校・中学校、それに高校と特別支援学校について、春休みに入るまで臨時休校とするよう要請する考えを示しました。

そして安倍総理大臣は、入試や卒業式を実施する場合は、感染防止のための措置や必要最小限の人数で行うよう万全の対応を取ることや、行政機関や民間企業などは休みを取りやすいよう子どもを持つ保護者への配慮を行うことを求めたうえで、こうした措置に伴って生じる課題は、政府が責任を持って対応する考えを示しました。

これを受けて文部科学省は、今後、全国の関係機関に要請を行う事にしています。

今回の要請の対象に、幼稚園や保育所、それに小学生を放課後に預かる学童保育は含まれていないということです。

このほか対策本部で安倍総理大臣は、感染が確認された人がスポーツクラブを利用していたことも踏まえて、こうした場所での感染リスクを下げるために必要な対応について、専門家の意見を聴き、至急対策を取りまとめるよう求めました。

さらに「今後、国内でのさらなる感染拡大が懸念される。そのため、対策の実効性をさらに高めるとともに、感染拡大を抑制し、国民生活や経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、必要となる法案について早急に準備してもらいたい」と指示しました。

幼稚園 保育所は対象外

政府は今回の要請の対象に、幼稚園と保育所は含まれないとしています。

文部科学省と厚生労働省は「幼稚園と保育所は1人で家にいることができない年齢の子どもたちを預かっているため、今回の要請の対象に含めなかった」としています。

自民 石破 元幹事長「新型ウイルス対応 自民への批判強い」

自民党の岸田政務調査会長、石破・元幹事長、石原・元幹事長、中谷・元防衛大臣の4人は、27日夜、東京都内で会合を開きました。このあと石破氏は記者団に対し「新型コロナウイルスへの対応で、今の自民党に対する批判が、世の中ではものすごく強いという認識で一致した」と述べました。

また、安倍総理大臣が来月2日から全国すべての小学校・中学校、それに高校などについて、春休みに入るまで臨時休校とするよう要請する考えを示したことについて「いろんな批判も当然あるだろうが、大事なのは、子どもたちの健康を守ることだ。現場の混乱をどうやって最小限に抑えるかを考えていかないといけない」と述べました。

自民 中谷 元防衛相「きちんと議論を重ねてやるべき」

自民党の中谷・元防衛大臣は、27日夜、記者団に対し、「休校の対応が非常に急で、突然知った。学校にとって大変なことで、文部科学省もどういう整理をしているのか。こういうことは、きちんと議論を重ねてやるべきだ」と述べました。

立民 福山幹事長「現場の混乱が心配 丁寧な説明を」

立憲民主党の福山幹事長はコメントを発表し「唐突感があり、学校関係者や共働きの家庭、それに学童保育をはじめとした現場の混乱を心配している。新型コロナウイルスの感染リスクがどの程度広がり、政府が現状をどう認識しているのか、また、今回の休校措置の根拠はいったいどこにあるのかについて丁寧な説明を求めたい」としています。