クルーズ船乗員下船始まる 数日かかる見通し

クルーズ船乗員下船始まる 数日かかる見通し
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船の乗員のうち、ウイルス検査で陰性だった人たちが27日から下船を始め、埼玉県和光市にある国の宿泊施設に移動しました。施設に向かう乗員はおよそ240人で、全員が船を下りるまでに3日程度かかる見通しです。
横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」ではおよそ3700人の乗客・乗員のうち、帰宅後に感染が分かった人を除くと、これまでに705人の感染が確認され順次、医療機関に搬送されました。

船に残った乗客については感染者と同室の人を除いては検査の結果、陰性と確認されるなどしたおよそ980人が今月19日から23日までの間に船を下りて帰宅しました。

一方、乗員についても全員、ウイルス検査が行われ陰性だった人たちが27日正午ごろから下船を始め、埼玉県和光市にある国の宿泊施設に移動しました。

施設に向かう乗員はおよそ240人で多くは外国人だということで、全員が船を下りるまでに3日程度かかる見通しです。

このほか、各国のチャーター機などで帰国する乗員もいるということです。

乗員は健康観察の期間として14日間宿泊施設に滞在し、再び検査を受けて陰性と確認されれば出国する予定だということです。
茂木外務大臣は自民党の派閥の会合で、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の外国人の乗客・乗員について「乗客はアメリカやオーストラリアなどにほぼ帰国した。乗員はフィリピンとインドの方が終わり、残るインドネシアの方の帰国のオペレーションが終わると、乗客・乗員のうち、帰れる方は帰り、陽性となった人は病院で治療を受ける段階に入る」と述べました。

インド政府の対応

インド政府はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に残っていた、インド人の乗客・乗員119人と周辺国などの外国人5人の合わせて124人が27日、チャーター機でインドに到着したと明らかにしました。

124人は全員、日本での検査では陰性で、首都ニューデリー近郊にあるインド軍の施設で14日間、隔離されるということです。

またクルーズ船にはインド人の乗客6人と乗員132人が乗っていましたが、このうち乗員16人が新型コロナウイルスに感染し、日本で治療を受けていると明らかにしました。

今月上旬にはクルーズ船の乗員のインド人とみられる男性がインド政府に対して「泥沼の状態からわれわれを助け出してください」と訴える動画がSNSに投稿されていました。