新型コロナウイルス対策 あなたの疑問に答えます

新型コロナウイルス対策 あなたの疑問に答えます
新型コロナウイルスに関して視聴者から寄せられた疑問について専門家に聞きました。

Q:「アビガン」は使える?

新型コロナウイルスへの治療に使えるのではないかと注目される、エイズの発症を抑える薬やインフルエンザの治療薬「アビガン」は自分にも使ってもらえるのでしょうか。

A:一般的に使えません

エイズの発症を抑える薬は、新型コロナウイルスに感染した患者に対して、国内やタイなどで試験的に使われています。

現在のところ、有効性は確認されてはおらず、一般的に使えるものではありません。

また、「アビガン(一般名:ファビピラビル)」はウイルスの増殖そのものを防ぐインフルエンザの治療薬で、2014年に医薬品として承認されましたが、副作用の懸念があることから、ほかの薬が効かない場合に限って使用することになっています。

感染症の問題に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長によりますと、新型コロナウイルスに感染しても重症で緊急性が高い場合にしか処方されず、有効性や安全性はまだ確かめられていないので、「希望すれば誰でも使えるというものではない」ということです。

今後、臨床試験で有効性や安全性が確かめられれば使えるようになりますが、現在のところ、いつ使えるようになるかはわかりません。

Q:洗濯でウイルス除去できる?

洗濯するとウイルスを取り除く効果はあるのでしょうか。また衣服にもアルコール消毒をするべきなのでしょうか。

A:大部分のウイルスは落ちます

感染予防が専門で、日本環境感染学会の菅原えりさ理事によりますと、コロナウイルスに関しては証明されていませんが、大部分のウイルスでは通常の手順で洗濯を行えば、衣服についたウイルスが物理的に流れてしまうので、アルコール消毒の必要はないということです。

また、せきやくしゃみが広がるのを防ぐために、口を覆ったハンカチなど、ウイルスが取り除けているか、特に心配だという場合は沸騰したお湯に15分から20分ほどつければよいということです。

Q:キッチン用エタノールは消毒効果ある?

手洗いに使う消毒液の代わりにキッチン用のエタノールを使っても消毒の効果はあるのでしょうか。

A:効果の科学的証明はされていません

エタノールはアルコールの一種で、手や指の消毒に使われる市販の消毒液は濃度が80%程度のものが多くなっています。

日本環境感染学会の菅原えりさ理事によりますと、キッチン用のエタノールは、濃度が50%ほどのものが多く、現時点ではコロナウイルスへの効果があるか、科学的には証明されていないということです。

ただ、身の回りの掃除などで使う場合はエタノールを吹きかけるだけでなく、布で拭き取ることが重要だということで、濃度が50%程度の製品でも、何もしない場合に比べて有効である可能性があるということです。

Q:空気清浄機って効果ある?

空気清浄機は新型のコロナウイルスの除去に効果があるのでしょうか。

A:効果は証明されていません

コロナウイルスの感染を絶つという意味では、今のところ空気清浄機の効果は証明されていないということです。

Q:満員電車の窓は開けたほうがよい?

満員電車の窓は開けたほうがよいのでしょうか。

A:換気は有効です

感染症に詳しい愛知医科大学の森島恒雄客員教授によりますと、新型コロナウイルスは、せきなどの飛沫に含まれてしばらく空間をただよう可能性が否定できないため、窓を開けて換気し、ウイルスを室外に出すことが重要で、部屋の空気は一日数回は入れ替えるのが望ましいということです。

満員電車の場合、駅で乗り降りする場合に一定程度、空気は入れ代わる可能性がありますが、窓を開けても危険ではない状態であれば、窓を開けて空気を入れ替えてもよいとしています。ただ実際に窓を開けてもよいかどうかについては各鉄道会社の指示に従ってください。

Q:免疫力を維持するには?

感染しても重症化しなくてすむように、免疫力を下げない方法ってありますか。

A:十分な栄養と休養 それに水分も

愛知医科大学の森島恒雄客員教授は、基本的には栄養や休養を十分にとるほか、脱水状態にならないよう、水をこまめにとってほしいと話しています。

また心配しすぎて家の中で動かないでいるのもよくないということで、人混みを避けながら散歩したり、軽い運動をしたりすることで血行をよくして、よく眠れるようにすることも大事だとしています。