首相 中小企業への資金繰り支援など経済への対応に万全期す

首相 中小企業への資金繰り支援など経済への対応に万全期す
新型コロナウイルスをめぐり、安倍総理大臣は衆議院予算委員会の集中審議で、感染拡大への警戒感が株式市場で高まり、世界的な株安に表れているとの見方を示したうえで、中小企業への資金繰り支援など、国内経済への対応に万全を期す考えを示しました。
26日午後行われた衆議院予算委員会の集中審議で国民民主党の玉木代表は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済への影響をめぐり、「政府の公式見解で、『景気は緩やかな回復基調だ』としているが、認識を改めるべきではないか」とただしました。

これに対し、安倍総理大臣は「感染拡大に対する警戒感が市場で高まっており、一両日の世界的な株価にも表れているのだろう。市場の動向を緊張感を持って注視することはもとより、実体経済への影響に十分に注意し、経済運営に万全を期していきたい」と述べました。

そのうえで「これほどインバウンドに大きな影響が出ると、資金繰りに困難を来す中小・小規模事業者が出てくることが想像できる。資金繰り支援など、第1弾として当面の緊急対応策を実行しているが、きめ細かく対応するよう指示をしたい」と述べました。

またイベントの開催自粛をめぐり、安倍総理大臣は「国に決めてもらいたいという気持ちもあるかもしれないが、一律的ではなく、地域において判断していただきたい。全国的なスポーツや文化イベントなどは、まさに国が判断をしなければいけないので、今後2週間は中止、延期または、規模縮小などの対応を要請することにした」と述べました。

さらに東京オリンピック・パラリンピックについて、安倍総理大臣は「政府としては、引き続き、アスリートや観客にとって安心安全な大会となるよう、開催に向けた準備を着実に進めていきたい。世界の皆さんが安心した中で開催できるよう全力を傾けていきたい」と述べました。

また安倍総理大臣は、品薄状態が続くマスクについて「各メーカーに増産をするよう要請している。もし余った場合は、備蓄として、国が責任を持つなど、マスクが出回るように対応している」と述べました。

一方、立憲民主党の枝野代表は「『熱があるのに検査をしてもらえない』という不安の声が上がっている。クルーズ船の対応も後手に回ったのではないか」と指摘しました。

これに対し加藤厚生労働大臣は、今月18日から24日までに、合わせておよそ6300件、1日当たり平均でおよそ900件のウイルス検査を実施したと説明したうえで、「湖北省への渡航歴などに限定されることなく、検査の必要性があればしっかり検査をしてほしいと重ねて通知したい」と述べました。

また加藤大臣は、栃木県や徳島県で、クルーズ船から下船した人の感染が確認されたことに関連して、「下船後に陽性の人が出ているという現実はしっかりと受け止めなければならない。それも踏まえて、フォローアップ体制をさらに強化していく」と述べました。