あしなが学生募金が中止 資金不足懸念 コロナウイルス

あしなが学生募金が中止 資金不足懸念 コロナウイルス
k10012302601_202002261815_202002261816.mp4
病気や災害などで親を亡くした子どもたちへの支援を呼びかけるため、ことし4月に全国各地で予定されていた「あしなが学生募金」が、新型コロナウイルスの感染の拡大を受けて中止されることになりました。街頭での学生たちの呼びかけが、寄付のきっかけになることが多いということで、奨学金のもとになる資金が大きく不足することが懸念されています。
「あしなが学生募金」は、親が病気や災害などで亡くなったり、重い障害で働けなくなったりした子どもたちの学業を支援するための募金活動で、50年前から毎年、生徒や学生たちが春と秋に4日間ずつ、全国のターミナル駅など街頭で寄付を呼びかけてきました。

4月に予定されていた次の募金活動は節目の100回目で、全国およそ300か所で2万人の学生などが街頭に立つ予定でしたが、新型コロナウイルスの感染の拡大を受けて、中止されることになりました。
これを受けて各地で「あしなが学生募金」の事務局を務める学生およそ10人が、集まった寄付をもとに奨学金などの支援を行う「あしなが育英会」とともに、26日東京 千代田区で記者会見を開きました。

この中で自身も支援を受けてきた兵庫県の大学生が「街頭に立って呼びかけ、苦しい家庭の状況や支援を求める生徒や学生の声を届ける機会がなくなるのは悔しい。これからいろいろな手段を検討して、社会に訴えていきたい」と述べました。

街頭での学生たちの呼びかけが、寄付のきっかけになることが多く、過去に中止されたことはないということです。

「あしなが育英会」は、今回の街頭募金の中止によって、奨学金のもとになる資金が40億円程度不足することになると懸念していて、「進学の機会が奪われる子どもが出るおそれがある」と話しています。