北朝鮮 感染者はいないと強調 一方で国民に予防徹底を呼びかけ

北朝鮮 感染者はいないと強調 一方で国民に予防徹底を呼びかけ
北朝鮮の国営メディアは、新型コロナウイルスについて「わが国には入ってきていない」と繰り返し伝えています。一方で、新型コロナウイルスへの対応が「国家の存亡に関わる重大な政治的問題だ」として、予防を徹底するよう連日、国民に呼びかけています。
北朝鮮での新型コロナウイルスの感染状況は分かっていませんが、国営メディアは連日、各国の詳しい感染者の数とともに「わが国には入ってきていない」と繰り返し伝え、感染者はいないと強調しています。

一方で、朝鮮中央テレビは25日夜、中国と国境を接する都市で、防護服を着た人たちが駅やホテルを消毒する様子を伝え、中国から新型コロナウイルスが流入することに神経をとがらせています。

また、25日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、「全国が緊張状態にある中、食堂をはじめ公共の場所に多くの人が集まる行動は厳禁だ」として、集団感染のリスクを減らすため大人数での食事は禁止されていると伝えました。

北朝鮮は、先月から外国人観光客の受け入れを中止していて、今月1日までに中国とを結ぶ航空便や列車を止めて、往来を遮断する措置を取っています。

毎年4月に外国人選手も参加して開かれるマラソン大会についても、北京を拠点に北朝鮮への観光ツアーを取り扱っている旅行会社によりますと、中止するという連絡があったということです。

北京にある北朝鮮レストランも客を受け付けておらず、外貨獲得にも影響が出そうです。

こうした中、アメリカ政府は今月、感染対策のために北朝鮮への人道支援をすみやかに行う用意があると表明しましたが、北朝鮮側は今のところ反応を示していません。

アメリカから支援を受けることに慎重になっているものとみられ、自力で感染を予防できるとアピールしたい思惑もありそうです。